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最新50
20の倍数がSSを書くスレ
1 :
安梨沙
◆ARISA/KXTc
:2003/05/06 23:35 ID:DXfx3SYY
20の倍数のレス番の人がそれ以前のスレで書かれている
事をテーマとしてSSを即興書いてください。
プロ・アマ問いません。
434 :
眠い名有り
:2004/01/05(月) 18:50 ID:???
↓さぁ、次はどんなSSが出るんでしょうか?
435 :
なも
◆zQyv8380ig
:2004/01/05(月) 19:02 ID:???
スレを進めてばんばんばん!
436 :
さかちー
:2004/01/05(月) 19:37 ID:???
アイディアないなあ。
よつばを登場させるのか。
437 :
眠い名有り
:2004/01/05(月) 19:57 ID:???
↓誰が次を書く!?
438 :
なも
◆zQyv8380ig
:2004/01/05(月) 22:28 ID:???
一応,「よつばちゃんのお風呂シーン」が見てみたかったらこのテーマにしますた。
てなわけでばんばん!
439 :
へーちょ名無しさん
:2004/01/05(月) 22:39 ID:???
さぁ、誰がゲトーする?
440 :
眠い名有り
:2004/01/05(月) 22:40 ID:???
犯人は私(爆)
441 :
なも
◆zQyv8380ig
:2004/01/05(月) 22:41 ID:???
>>440
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
442 :
◆5KxPTaKino
:2004/01/05(月) 22:41 ID:???
ずざ
443 :
◆5KxPTaKino
:2004/01/05(月) 22:42 ID:???
ウッ
444 :
眠い名有り
:2004/01/05(月) 22:44 ID:???
んじゃ、書いてみるか。
445 :
へーちょ名無しさん
:2004/01/05(月) 22:46 ID:8gimsLe6
お題は
>>430
。
446 :
眠い名有り
:2004/01/05(月) 23:06 ID:???
>>445
よつばと!読んだことない…(汗
447 :
眠い名有り
:2004/01/05(月) 23:11 ID:???
何か、親がうるさくなってきたので、続行が不可能な状態…
明日書かせてもらいます。
何かテーマありませんかねぇ…
ないならお正月でいきます。
448 :
なも
◆zQyv8380ig
:2004/01/05(月) 23:12 ID:???
カラ喜びだったか… _| ̄|○ ガクッ
449 :
さかちー
:2004/01/05(月) 23:30 ID:???
>>447
スレのルールは把握しといてくださいよ……
さて、次はどうしますか?
(これに関しては編集会議室のほうで話しましょう)
450 :
メジロマヤー
◆JwHkm/8mPw
:2004/01/05(月) 23:35 ID:???
次回のテーマは「大失敗」で。
451 :
へーちょ名無しさん
:2004/01/06(火) 00:14 ID:???
ルール確認
お題を出すのはx10を踏んだ香具師
それに沿ってSSを書くのはx20を踏んだ香具師
OK?
452 :
(・∀・)イイ!
◆EEE802ToMo
:2004/01/06(火) 01:22 ID:???
>>451
>>1
をよく見ようぜー
「即興で」
453 :
◆5KxPTaKino
:2004/01/06(火) 01:24 ID:???
即行とはいえテーマが決まってから20n到達までに少しの間があるわけだが
454 :
なも
◆zQyv8380ig
:2004/01/08(木) 23:58 ID:???
☆ チン マチクタビレター!
☆ チン 〃 ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\(\・∀・)< よつばちゃんのお風呂シーンまだ〜?
\_/⊂ ⊂_)_ \____________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/| マチクタビレター!
l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| .|
455 :
ケンドロス
:2004/01/10(土) 19:33 ID:???
本当に即興で書くと何レス分まで続く場合、次の続きがUPするまで何時間も
かかるって事ザラだしな。(最悪の場合、日付変わってもまだ出来ない)
456 :
なも@リビング
:2004/01/24(土) 21:07 ID:???
ちょと進めてみる。
457 :
へーちょ名無しさん
:2004/01/25(日) 00:49 ID:???
愛よ照らせ
458 :
へーちょ名無しさん
:2004/01/25(日) 00:50 ID:???
この星の果ても
459 :
なも
◆zQyv8380ig
:2004/01/25(日) 12:53 ID:???
↓よろ〜。
460 :
伯爵 バイト中
:2004/02/05(木) 04:04 ID:???
『伯爵 バイト中』
しまった。
461 :
『伯爵 バイト中』(1)
:2004/02/05(木) 04:18 ID:???
やっちまったよ、べらぼーめ。
某ホテルフロント控え室で叫んで指を鳴らす。ぱちんぱちんぱちん。
手首はひねるのがコツだ。そうするといい音が出る。
ネットの掲示板の、雑談をかますスレで一人ぼっちになっちまったのが
元凶。なにせ客が帰ってくれば暇なのだ。ぼーっとしてれば眠くなるし
明後日ある手品の舞台のプログラムなんか立てるには集中しにくい場所
ときてる。死にスレでも斜め読みするくらいしか時間の潰し方がないって
わけ。
それがこんなところを踏んじまうとは、バカみたい。
「20の倍数がssを書くスレ」
このスレは、マターリ進行といえば聞こえがいいが、むしろ
放置に近い気すらする。始めの主旨の「即興」はまあとりあえず
と横に置かれて、その他問題とりまぜてあるから。触らぬ神にたたり
なし、藪蛇つつくは命の危険。少なくとも自分はそんなつもりで
見てたのによ!!
つまらんスリルが身の破滅。
まさか踏むとは思わなかった。
462 :
『伯爵 バイト中』(2)
:2004/02/05(木) 04:39 ID:???
「書き込むと見せかけて、書き込まない攻撃」
われながら馬鹿な遊びをやったと思う。
適当にぱかぱか打ち込んでは、書き込む欄の文字をデリって
消す。
「ふふふ、どんな物語か分かるまい」
起きてたら私が物語をつむぐさまをリアルで見れたろうに。先に
眠っちまったのがわりーんだよ。
お題は大失敗。いいお題だ。イメージは幾らでも広がる。
よつばの、おねしょ大失敗、の話をみじみじ消しながらぼんやりと
考える。ウィスキーのお湯割なんか飲んで勝手に寝やがってちくしょう。
智と神楽の、自動マッサージ器大失敗、の話を消した後書いたから
とーちゃんと絡ませるつもりが風香とになっちまった。
「消えてやる。こんな現実からは、消えてやるよお」
言いながらにやにや。台詞はキングゲイナーより。
ここに書かれた物語は自分しか知らない。まして消してしまった後では
自分でも書き返せない。消す前にうっとりと自分の美文に酔いしれる喜び。
思うにこの男は少し自分に酔いすぎている感がある。自分の書いた文章に
(2次創作とは言え)幾らかのファンと思しき人がいるのが嬉しくてたまら
ないのだ。そう自己分析して嫌な気分になる。事実その通りだし、現実では
多くの人から絶縁状態だからだ。細々とした付き合いも、今度の舞台が終わって
お互い貸し借りなしでチョン!
「やだやだ」
最近の一番の口癖はコレ。
その時フロントで音がした。
社員かもしれない。こんな遊びをしていたのが分かったらえらいこと
になる。
「お前なに書いてるんだよ。エッチな奴? みせろみせろ」
冗談じゃない! 本当にエッチな奴なんだから!!
マウスで全体表示して一挙に削除!!
それがあなた。
やっちまったよべらぼーめ!
463 :
『伯爵 バイト中』(3)
:2004/02/05(木) 04:58 ID:???
「あの、すいません、シングル空きありますか? 」
「ありません」(0.1ナノ秒)
そうですか、すみませんなんていってしょぼしょぼ立ち去る愚かな
客の背中を睨みつけて私は頭を抱えた。
どうしよう。
20の倍数を踏んでしまった。
自分で大失敗しちゃ仕方ない。おまけに出だしの、「しまった」だけが
投下されている。中途半端に文章は消えているのだ。これじゃ新たに書か
なくちゃならない。
家に帰ってから書くか?
いや、そんなことは出来ない。おおっぴらには言っていないが、私は
自分がSS書きの中でも一流と自惚れているのだ。現実世界では何一つ
取得のない三十間近の男が、2次創作を手がけるだけで随分とおだて上げ
られている。今までがお世辞だったとしても、今更けなされたくなかった。
むしろ称えられたい。こんな短時間で書くなんてすごいとか言って欲しいのだ。
――何を恐れる。お前の実力なら出来るだろう――
心の中から声が聞こえてくる。でも、まだ印刷物ファイルに閉じてないし、
それにネタだって。
――お前の仕事はなんだ? やりたいことはそれか? ネタなどなんでもいい。
適当にあずキャラの誰かを脱がして頭かきかき失敗失敗とかいわせて、いつも
の改行合わせポエムもどきでもすれば関心を誘えるであろう――
ああ、でも、そんな流れはSSで他の人がたくさんやってるし、改行合わせポエ
ムもどきは、最近なるたけ使わないようにと……。
――褒められたくはないのか? ――
「いいえ、ヴェーダー郷!! やらせていただきます!! 」
心のダークフォースに身をゆだねて、私はタイプを開始した。
もう一刻の油断もならぬ。
「即興」萌えSSに私は全能力を投入した。
464 :
『伯爵 バイト中』(4)
:2004/02/05(木) 05:17 ID:???
心の中のヴェーダー卿はいつも禄でもない囁きと、つまらない実行力を
与えてくれる。どだい、短時間が短時間ですむわけがないのだ、私の文章が。
残っている仕事は、短時間で終わるとは言え山積み。おまけに今日は受験
の客が多いから逐一モーニングコールもかけなくてはならない。全くの暇、
というわけではないのだ。しかも。
「何かいてたんだっけ、俺……」
さっきの動揺で何もかも忘れてしまった。
「えっと、よつばが、お風呂で……。違った。それは違うお題だ。
にゃもに、ともの? 」
考えている暇はない。なきそうになりながらタイプをしていれば。
「まて、ここは伏線だろ。でないと、さっきの神楽の台詞が生きてこない」
気がつけば、文字の頭とお尻を揃えようとしている。詩的な表現を探す。
けれんみたっぷりな文字の列列列。
トゥルルルルルルル!
「はい!! 」
『あの、本日そちら……』
「露営しやがれ! 糞野郎!! 」
叩きつけるように受話器を置けば、ばたんと倒れる傍らのカップ。
眠気覚ましのお茶のカップ。
「あわわわわわわあ」
急いで拭かないと、わあ、拭くものがない。脱ぎ捨てる背広の上着。
上着で辺りに飛び散ったお茶を拭き取る。しまった、プリントアウトした
資料がびしゃびしゃ。またプリントしなおさなくちゃ。でもそんなこと
してたら休憩時間内にSSなんて書き終わらない。交代は5時半。後20分。
――褒められたくはないのか? ――
当たり前だ! 書く、書きますよ。もうここしか俺には居場所がないんだ。
書かずにいられますかってーの!! 悪いのは誰だ! とっとと眠っちまった
ラウンジメンバーだ。客だ。お茶のコップだ。運命だ。私は何も悪くない!!
「すみませーん」
お客の声。肩を怒らせて控え室から出て行けば、ビックリした顔の客。
「あ、あの。出かけたいんですけど」
「鍵」
「あ、はい」
「……何だよ」
「りょ、領収書を」
ああ、これだ。ずれた眼鏡を直す。ばしばしコンピューターを
タイプして領収書発行。
「ほらよ」
「あ、あの、会社名で……」
大きな溜息。深い深い不快な溜息。
465 :
『伯爵 バイト中』(5)
:2004/02/05(木) 05:33 ID:???
ジョジョの世界では一分がやたら長い。
第三部の最後の戦いを評して人は言うが、この日の私の
戦いも、一分が長い長い戦いだった。何せ打ち込み始めれば
邪魔が入り、邪魔が入ればミスをし、その瞬間瞬間がマーブル
になって襲ってくるのだから。
新聞屋を無視し。
ホテトルを無視し。
ついには客も無視して私はタイプする。
エレベーターから大声が聞こえたときは、さすがに防犯モニター
を見たけど、よたよた女が出てきてうずくまっているだけだから
放っておく。付けっぱなしのテレビの音量は大きくして。金切り声
は集中力を阻害する。
「あ、ここで大阪でも出すか」
そう思ったのは、きらきら光るものを手に持った男が女の上に
馬乗りになっているのが見えたからで。何でもネタにするのが物
書きの宿命。騒がしいロビーが、荒い息遣いと共に静かになった。
これで集中できる。
466 :
『伯爵 バイト中』(6)
:2004/02/05(木) 05:50 ID:???
世界の全てが静かだ。
書着続けるのが幸せ。
妄想にひたり続けて。
現実から目を反らす。
ずっとしてきた事で。
これから先もずっと。
そもそもおれなんて。
生きてることが失敗。
てきとうな区切りを付けて時計を見れば、時間はジャスト。
どうにか間に合ったとぬぐう冷や汗。満足な吐息。
「ヴェーダー卿! やりました!! 」
心の中のダークフォースに語りかける。心臓高鳴る祝福の音。
後はこれをあっぷして、残った仕事を片付ける。
仕事はさっきの印刷物をファイルするだけだから楽だな。交代が来る前に
やり終えれば何も問題はない。今までイライラしていたのが嘘のような快適さ。
さて、ひっそり最後の文章を載せようか。
満足な気持ちでマウスをダブルクリックする。
あ!!
467 :
『伯爵 バイト中』(7)
:2004/02/05(木) 05:50 ID:WSPmi4b6
ageちまった……。
鬱だ……。
468 :
ツインテール
◆SKYOSAKAKI
:2004/02/05(木) 06:51 ID:???
まぁ気にするな。よくある事です。
469 :
うちゅー
◆ZzAZUxozdw
:2004/02/05(木) 09:40 ID:???
>>460-467
トリもオチもうまい。
470 :
(・∀・)イイ!
◆EEE802ToMo
:2004/02/05(木) 14:46 ID:???
おおおー
471 :
(・∀・)イイ!
◆EEE802ToMo
:2004/02/05(木) 14:50 ID:???
しまったお題出さなきゃならんのか
>>470
「受験」で
472 :
眠い名有り
◆CRIUZyjmw6
:2004/02/05(木) 19:25 ID:???
「わーい。せんとーだ、せんとー!!!」
「よつばちゃん、走ると危ないわよ。」
ここは銭湯の脱衣所。もう夜も遅く、ここにいるのは二人きりである。
何故家族でもない二人が、しかも夜遅くに銭湯に来ているのか?
それはあまりにも単純なことである。
473 :
眠い名有り
◆CRIUZyjmw6
:2004/02/05(木) 19:25 ID:???
冬の夜、テレビでたまたま銭湯のことをしていた。そして、その銭湯の看板には近くにある屋敷と同じ、大きい「ゆ」の字が…
「とーちゃん、せんとーってなんだ?」
「銭湯か?簡単に言えばでかい風呂だな。」
「おもしろいところか?」
「おもしろい…かな?」
「よつば行きてー!とーちゃん!せんとーだ、せんとー!」
よつばは寝ていたとーちゃんの上に、いきなりよつばがボディプレスをかけた。
「う゛っ!」
「とーちゃん、せんとーだ。せんとー!」
「う…今はだめだ。とーちゃんは眠いんだ。寝させてくれ…家の風呂で十分だろ… ZZZ…」
「とーちゃんはだめだ。 いーや。よつば一人で行こう!」
よつばはさっそく扉を開けた。すると…
「あっ、よつばちゃん。どうしたの?」
塾から帰途についていた風香がいた。
「せんとーに行くんだ!」
「へー銭湯に…って準備は?」
無論、銭湯を体験したことの無いよつばは風呂道具どころかお金すら持ってない。
「どーぐが必要なのか?」
「道具って言うか…タオルに…着替えに…垢すりに… あとお金も。」
「お金も必要なのか!?」
「まったく、何も知らないで行こうとしたの?お父さんは?」
「寝てる!とーちゃんはだめだ!!」
「それじゃぁ仕方ないなぁ。私がついてってあげる」
「ほんとーか!?」
「本当よ。それじゃぁ、私が準備してくるからそれまで家の中で待っててね。」
「わーい。ありがとー ふーか」
474 :
眠い名有り
◆CRIUZyjmw6
:2004/02/05(木) 19:26 ID:???
こういういきさつで風香はよつばと一緒に銭湯に来ることとなった。
二人とも服を脱ぎ終え、ロッカーの鍵をかけた。よつばに関しては、あの特徴的な髪型ではなくなっている。
「よつばちゃん、じゃぁ入ろうか」
「おー!」
風香がドアを開けると、よつばは驚いた表情で中を見る。
「すげー広いふろだー!わーい!!」
「あっ、よつばちゃん、走っちゃ…」
そういった矢先だった。小さい段差によつばがつまずいて風呂の縁にぶつかり、浴槽へ…
バッシャーーーン!
「ああっ!?よつばちゃん!?」
風香はすぐさま浴槽に駆け出す。が、よつばは何事も無かったかのように潜水していた。
「はぁ…よかった…」
風香は安心してよつばが落ちたのと反対側の浴槽に入った。
「ふぅ」
―あー気持ちいい。やっぱり大きいお風呂はいいなぁ〜
そう思ってるうちに一つおかしい事に気づいた。
―あれ?よつばちゃんが上がってこない…あれから二・三分くらい立ってるのに…
心配になった風香は、浴槽に近づいて顔をのぞかせた。一瞬、最悪の事態が頭をよぎったが…
「ぷはぁ!!」
「うわっ!」
よつばがいきなり顔を出す。驚いた風香はしりもちをついてしまった。
「よっ、よつばちゃん、まさかずーーっと潜ってた?」
「おう!ずーっと潜ってたぞ。」
風香は改めてよつばのすごさを実感した。
475 :
眠い名有り
◆CRIUZyjmw6
:2004/02/05(木) 19:26 ID:???
「それじゃぁ、体を洗ってきましょうか?」
「おー!」
風香はよつばの横に座り、頭にシャンプーをかけて洗ってやる。
「おー、泡ぶくだー 泡だ泡」
「よつばちゃん、楽しい?」
「おう、よつば楽しいぞー。 あいてー!」
「どっ、どうしたの?よつばちゃん!」
「目がいたいーー」
「あっ、目に入ったのね。はい」
ザァァァーーーーーーー…
風香はすぐにシャワーで洗ってやった。そして、よつばの体も洗ってやり、自分の体を洗おうとしたとき…
「ふーか、体洗うのか?」
「えっ、まぁそうだけど…」
「じゃぁさっきのお礼だ!よつばが洗ってやる!」
「…まぁいいわよ」
476 :
眠い名有り
◆CRIUZyjmw6
:2004/02/05(木) 19:27 ID:???
よつばがやることなので、少々不安があったが、別にひどいことにはならないと思い、風香はすぐにOKした。
「それーふーか!つのだー!」
よつばはよく子供がやるシャンプーで髪型を変える奴をやっていた。その時ふと、よつばの手が止まった。
「どうしたの?」
「どーしてよつばだけかみが緑なの?」
「えっ、それは…」
それは、よつばが外国で拾われた子だから。
でも、そんなことを風香は言えるはずも無かった。
「よつばだけ仲間はずれか?」
よつばは今にも泣きそうな顔をして風香を見た。
「そっ、それは…ほら、誰にでもあることなのよ」
「ほんとうか?だってふーかも…」
「ほら、あさぎお姉ちゃん見てみなさいよ。あさぎお姉ちゃんも髪の色黒くないでしょ。
それに、ほら。髪の色が違うほうが…あ…強い」
「そーだな!じゃあよつばは強いんだ!!」
そう言うなりよつばは風香の身体を洗うことをすっかり忘れて浴槽に飛び込んでいった。
風香は説明の材料(?)となってくれた姉、あさぎに初めて感謝した。
そして、その日の帰り道…
「よつばちゃん。楽しかった?」
「うん!」
よつばは楽しそうに頷く。風香にとって、よつばはもう家族のような存在になっていた。
たとえ血のつながりは無くても…
「じゃぁ、今度また一緒にお風呂入ろうか?」
「おー!」
よつばは満面の笑みで返事をした。その夜、よつばは風香の家で一夜を過ごした…
477 :
眠い名有り
◆CRIUZyjmw6
:2004/02/05(木) 19:27 ID:???
うわっ、ショボ…○| ̄|_
478 :
伯爵
:2004/02/05(木) 20:04 ID:???
文章も読み易く、生活感が出ておるように感じます。よつばと
風香の会話も原作の二人の雰囲気をよく捕らえており面白く拝見
致しました。
479 :
眠い名有り
◆CRIUZyjmw6
:2004/02/05(木) 20:39 ID:???
>>478
ありがとうございます。
さぁ、↓たのむよ!
480 :
紅茶菜月
◆5xcwYYpqtk
:2004/02/05(木) 21:57 ID:???
とりあえずげっと。
481 :
紅茶菜月
◆5xcwYYpqtk
:2004/02/05(木) 23:36 ID:???
二次試験
「ともちゃ〜ん、出来たぁ〜 」
試験会場から駅へと続く並木道――
帰路につく受験生の集団を眺めながら、少女は問いかけた。
「うーん。だめだ〜 」
灰色がかった雲の間から、微かに陽が覗いているものの、
真冬の風は突き刺すように痛く、冷たい。
マフラーに首を埋めたもう一人の少女は、身体を震わせながら
大きな溜息をついた。白い塊が生まれて吹き流れていく。
「あかんのん? 」
「ほら、問3があっただろ」
智は、人差し指を口元にあてながら言った。
「あー 」
「あれが分からなくって、時間がなくなった」
彼女の表情からは、後悔の色がありありと出ている。
482 :
紅茶菜月
◆5xcwYYpqtk
:2004/02/05(木) 23:36 ID:???
「時間配分って大切だよな〜 」
「そやな〜 」
分からない問題は置いて、次に取り掛かること。
試験の原則が脳裏に浮かんでくるが、今更どうなるものでもない。
「ところで、大阪はどうだったの? 」
「あー 私なー 」
大阪は、枝がむき出しになった街路樹を見上げながら、ぽつんと呟いた。
「ようわからへん」
「どういう事よ 」
「出来たか出来へんかったんか、わからへんねん」
こちらは、さして困ってなさそうな様子である。
「それは問題…… なのか? 」
「どやろ」
483 :
紅茶菜月
◆5xcwYYpqtk
:2004/02/05(木) 23:37 ID:???
暫く進んでいくと、ふいに銀杏並木が途切れる。
智が後ろを振り返ると、ついさっき通ったはずの校門は
街並みに紛れて消えてしまっている。
「あのさー 」
肩まで髪を伸ばした少女を見つめながら、彼女は口を開いた。
「ん?」
「大学、受かるといいな」
「そやな〜 」
大阪は口元を緩ませながら言うと、とてとてと智に近づいていき……
冷え切った掌を握り締めた。
「な、何!? 」
クラスメートの思いがけない行為に、裏返った声をあげてしまう。
「うわぁ、ともちゃん赤くなっとる〜 」
「ば、馬鹿! 」
悪戯っぽく見つめる大きな瞳から逃れようと、智は思いっきり顔を背けた。
しかし、繋がった手までは離そうとはせずに――
(一緒にいけるといいな)
と、微かに伝わる温もりを感じながら、心の中で呟いた。
484 :
なも
◆zQyv8380ig
:2004/02/05(木) 23:52 ID:???
>>472-476
すぅ・・・
,,-' _,,-''" "''- ,,_  ̄"''-,,__ ''--,,__
,,-''" ,, --''"ニ_―- _ ''-,,_ ゞ "-
て / ,,-",-''i|  ̄|i''-、 ヾ {
(" ./ i {;;;;;;;i| .|i;;;;;;) ,ノ ii
,, ( l, `'-i| |i;;-' ,,-'" _,,-"
"'-,, `-,,,,-'--''::: ̄:::::::''ニ;;-==,_____ '" _,,--''"
 ̄"''-- _-'':::::" ̄::::::::::::::::;;;;----;;;;;;;;::::`::"''::---,,_ __,,-''"
._,,-'ニ-''ニ--''" ̄.i| ̄ |i-----,, ̄`"''-;;::''-`-,,
,,-''::::二-''" .--i| .|i "- ;;:::`、
._,-"::::/  ̄"''--- i| |i ヽ::::i
.(:::::{:(i(____ i| .|i _,,-':/:::}
`''-,_ヽ:::::''- ,,__,,,, _______i| .|i--__,,----..--'''":::::ノ,,-'
"--;;;;;;;;;;;;;;;;;""''--;;i| .|i二;;;;;::---;;;;;;;::--''"~
 ̄ ̄"..i| .|i
.i| |i
i| |i
.i| .|i
キタ━━━━━━━━━ i| (゚∀゚) .|i ━━━━━━━━━━!!!
.i| |i
.i| ,,-、 、 |i
i| ノ::::i:::トiヽ、_.|i
_,, i|/"ヽ/:iヽ!::::::::ノ:::::Λ::::ヽ|i__n、ト、
,,/^ヽ,-''":::i/::::::::/:::::|i/;;;;;;/::::;;;;ノ⌒ヽノ::::::::::::ヽ,_Λ
;;;;;;:::::;;;;;;;;;;:::::;;;;;;;;:::/;;;;;;:::::::::;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::;;:;;;;:::ヽ
485 :
春日すばくはく
◆kN/JYlFSNI
:2004/02/06(金) 00:40 ID:???
>>484
それだけ萌えたって事なのだろうかw
>>472-476
どうしても、よつばのいたずらに期待しすぎてしまうw
あと、個人的には、
恵那もそれに加わって欲しかった……(w
486 :
春日すばくはく
◆kN/JYlFSNI
:2004/02/06(金) 00:40 ID:???
>>480-483
解答に関してのふたりの差の付け方なんかを見ると、ホントによく考えてらっしゃるんだなーという気がしました。
しっかし、銀杏並木ですか……
マリみての影響を色濃く受けておられるようでw
……ってか、
大阪と智の受けた大学って、まさかリリアン女子大学!?(汗
487 :
(・∀・)イイ!
◆EEE802ToMo
:2004/02/06(金) 00:46 ID:???
おー
488 :
紅茶菜月
◆5xcwYYpqtk
:2004/02/07(土) 00:25 ID:???
感想くれた方ありがとう。
>>484
うわっびっくり。
>>486
あーなるほどぉ
確かに、影響受けまくっています。
あと、女子大の可能性も十分ありますね。
聖様の同級生か、一つ下くらいだったりしたら面白いかもです。
489 :
メジロマヤー
◆JwHkm/8mPw
:2004/02/07(土) 01:16 ID:???
↓テーマをよろしく!
490 :
なも
◆zQyv8380ig
:2004/02/07(土) 01:58 ID:???
ズザー。
491 :
なも
◆zQyv8380ig
:2004/02/07(土) 02:00 ID:???
えっと…お題は…
「かおりんが書いた榊さん宛てのラブレター,
結局出さずじまいで今もかおりんの机の中」
でGO〜!
492 :
伯爵
:2004/02/10(火) 03:38 ID:7IesajOc
さあ、につまってまいりました
493 :
なも
◆zQyv8380ig
:2004/02/10(火) 03:55 ID:???
やっと感想が書ける。w
>>480-483
彼女たちの日常のスナップショットみたいですっごいスキです。
リリアン女子大…よく知らないけど面白そうw
494 :
伯爵
:2004/02/10(火) 14:56 ID:???
智達がリリアン女子大ってのはいいアイデアだな。
紅茶さんのアイデアではないが。そうすれば大学入試
に面接という私的にはなじみのない設定もすんなり入って
いけそうだ。まァ関係ない話ですが。
495 :
伯爵
:2004/02/10(火) 15:02 ID:???
序破急がいつもながらに切り込まれておりまして、
あっさり一読できてしまう。その見晴らしのよさは
植木職人のようでして。枝葉の覆い身としては勉強
させていただいております。
人差し指を口にあてる智がかわいい。
496 :
伯爵
:2004/02/12(木) 10:59 ID:???
みじみじあげていきますよ。
みじみじみじみじ
497 :
伯爵
:2004/02/13(金) 04:28 ID:kmnvJhAs
みじみじみじみじ
498 :
メジロマヤー
◆HFDLMAyar6
:2004/02/14(土) 01:18 ID:???
正直立候補したい。
499 :
へーちょ名無しさん
:2004/02/14(土) 01:19 ID:???
ふっ
500 :
メジロマヤー
◆HFDLMAyar6
:2004/02/14(土) 01:19 ID:???
立候補!
501 :
メジロマヤー
◆HFDLMAyar6
:2004/02/14(土) 11:28 ID:???
「Love Letter」(即興で書いてきました)
時計の針は午前1時を少し過ぎたところである。
かおりんはまだ机に向かって今からあるものを書こうとしている。それは宿題でも明日
の予習でもない。彼女の最愛の人である榊に宛てたラブレターだ。
「榊さん……」
小さく最愛の人の名前を呟き、深呼吸をしてから、机の上に置いてある便箋と向かい合
いサインペンを右手に持った。
「榊さん、私はあなたのことが大好きです……って、こんなストレートに言えないわ。そ
れにたった1行で語りきれるほどじゃないし……。もっと私のこの深い想いが伝わるよう
に書かないと……」
たった1行しか書かれていない便箋を丸めてゴミ箱に捨てると、新しい便箋を用意して、
再び書き始めた。
「前略、拝啓、Dear……、えーとどれにしようかな。でも、前略や拝啓だとなんか堅苦し
いし、かと言ってDearじゃなんか軽々しいわ。普通でいいや」
――榊さんへ。
私の勇気がなくて想いを口にできないために、こうしてお手紙を書くことをお許しくだ
さい。でも、どうしても私の気持ちを、この切ない想いを知って欲しいのです。
私は初めて逢ったときから、榊さんのことが気になっていました。最初はちょっとした
憧れだったんですが、次第にその想いが昂ぶり、いつしかあなたのことが頭から離れなく
なってしまいました。私の想いはいつしか恋心へと変わっていったのです。
体育の100メートル走で誰よりも速くゴールへ駆け抜ける姿、授業中や休み時間にどこ
か淋しそうな表情を浮かべながら外を見つめる姿など、あなたの全てが気になってしまい、
瞳を閉じてもその姿が蘇っています。私の心の中は榊さんのことで満たされて今にも溢れ
出しそうなのです。もう、他の事なんて考えられないくらいに。
最初はその姿を見られるだけでも幸せと感じていました。でも、この頃はそれだけでは
物足りなくなってしまいました。もっと近くであなたの姿を見つめていたい。もっとおし
ゃべりしたい……例え、見つめ合ったときに上手く言葉が出なかったとしても、もっと榊
さんを近くに感じていたいのです。
私、榊さんのことが、大好きです。一回だけじゃ物足りないくらいに、大好きで大好き
で大大大好きです!もう、榊さんなしには私の生活が成り立たないほどに大好きです。
502 :
メジロマヤー
◆HFDLMAyar6
:2004/02/14(土) 11:29 ID:???
同じ女性だからって私、決してくじけません。あなたに私の思いが届き、それに応えて
くれる日まではずっとあなたを想い続けています。そんな壁を打ち破るほどに私の想いは
強く、固いのです。私のこの想いが榊さんに上手く届くかは分かりません。だけど、この
止まらない気持ちだけは知って欲しいのです。
「そのくらい、私は榊さんのことを心から愛しているのです……って、何か段々変な方向
に行っちゃったような気がするわ」
この段階まで書いたときに、ふと最初から読み直し、次第に自分の思いが暴走している
ことに気がつき、思わず顔を赤らめた。
「思いつくままに書いたらこんな風になっちゃった……。これじゃ、また出せそうにない
わね……。でも、この文章を基に新しいラブレターを書けばいいかな。とりあえずこれは
取っておこう」
かおりんはため息をつきながら、机の引き出しを開けた。ギーッという少し引きずった音
とともに、引き出しの中から今まで書き留めていた分のラブレターが顔を出している。
その数は2、3通ではなく軽く2桁は越えそうなほどだ。
「いつになったら、私の想いを榊さんに伝えることができるんだろう」
今まで出せずにいたラブレターの束を見つめたまま、またふぅとため息をつき、引き出
しの一つを完全に占拠している束を整理し始めた。
「でも、この手紙の分だけ榊さんへの想いが詰まっているんだわ。いつかこの想いが詰ま
った私の集大成とも言うべきラブレターを榊さんに届けるわ」
今日書いたものを含めたラブレターの束を整理し終え、再び引き出しの中にしまうと、
かおりんは椅子から立ち上がり、ベランダに出て夜空を見上げた。わずかながらに見える
星が夜空を照らしている。
「流れ星でも出ていないかなぁ……。もし、流れ星が出ていたら、榊さんが私のことを…
…、いやそんな都合のいいことなんて叶う訳ないわ。せめて、この想いを届ける勇気だけ
でも私に与えて欲しいんだけどな……」
物寂しげな表情を浮かべたまま、夜空にちりばめられたかすかな星を探してみた。しか
し、流れ星は見えず、その気配も全く感じられない。
「いや、自分の気持ちは自分で伝えないと……。いつか必ず榊さんに私の想いを届けてみ
せるわ!」
そう強く心に決意して、今日はもう眠ることにした。いつか自分の想いが届き、それが
叶う日を夢に見ながら……。
(完)
503 :
Mizuma
:2004/02/14(土) 11:44 ID:???
>>501-502
乙ですねー
宛名の無い手紙もー
崩れるほど重なった〜♪
504 :
へーちょ名無しさん
:2004/02/14(土) 21:49 ID:???
>>501-5002
(・∀・)イイ!!
505 :
ケンドロス
:2004/02/14(土) 22:58 ID:???
>>501-502
うわぁ、切ないなぁ。
何と言うか本当にあと一歩が足りないというか・・・
506 :
紅茶菜月
◆5xcwYYpqtk
:2004/02/14(土) 23:19 ID:???
>>501-502
お疲れ様です。
かおりんの気持ちが凄く丁寧に描かれてるな〜 と思いました。
507 :
伯爵
:2004/02/14(土) 23:21 ID:???
>>501
−502
想いに引き出しが軋む。星を観るのも彼女らしくていいですね。
おつです。
508 :
(・∀・)イイ!
◆EEE802ToMo
:2004/02/16(月) 10:50 ID:WXCuf2.6
age!
509 :
伯爵
:2004/02/16(月) 12:37 ID:???
では、お題を出せさせなさせーっ!!
510 :
( ̄― ̄)。○(眠い名有り)
◆CRIUZyjmw6
:2004/02/16(月) 21:02 ID:???
ズサー
511 :
( ̄― ̄)。○(眠い名有り)
◆CRIUZyjmw6
:2004/02/16(月) 21:03 ID:???
じゃぁ、次は「ゆかりとにゃも、初めての出会い」で。。
512 :
さかちー
:2004/02/16(月) 23:43 ID:???
こ、これはムズイなー
かなりの創意工夫が必要になりそうだ……
513 :
伯爵
:2004/02/17(火) 00:02 ID:???
ふふふ萌えてきたぜえ
514 :
伯爵 バイト中
:2004/02/17(火) 22:47 ID:???
更に一つ進めるでござるよ。
あれ?
515 :
伯爵 バイト中
:2004/02/17(火) 22:48 ID:???
ともに愛情こもったキスを額にされる。
二ます進む。
516 :
伯爵 バイト中
:2004/02/17(火) 22:48 ID:???
やったー。
517 :
伯爵 バイト中
:2004/02/17(火) 22:48 ID:???
キムリンとフォークダンス、一回休み。
がーん。
518 :
タキノ13
◆MMMMMM.
:2004/02/17(火) 22:49 ID:???
ゆかり先生から謎のあんぱんを貰う
スタートに戻る
519 :
( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り)
◆CRIUZyjmw6
:2004/02/17(火) 23:15 ID:???
↓よろー
520 :
うちゅー
◆ZzAZUxozdw
:2004/02/17(火) 23:20 ID:???
あ!
521 :
う
:2004/02/19(木) 00:22 ID:???
現在没×2
……あかん、すでに即興な時間間隔やなくなっとる!
もう1日ちょーだい。
522 :
うちゅー
◆ZzAZUxozdw
:2004/02/22(日) 00:59 ID:???
まさかこんなにむつかしいとは……
523 :
( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り)
◆CRIUZyjmw6
:2004/02/22(日) 12:34 ID:NY8NI9vs
ガンバレ!
524 :
うちゅー
◆ZzAZUxozdw
:2004/02/24(火) 01:41 ID:???
メモリーズ
そのとき、私は泣いていた。近所の空き地で、
顔をくしゃくしゃにして、せっかくの口紅も汚してしまって。
夕焼けが私の背中にそっと赤い灯火を落とし、
周囲を薄暗くして服の汚れを隠してくれている。
「泣くなよー」
その子は土に汚れた手で、構わず私の背中をさすってくれる。
いつもの私なら嫌がるだろうけど、そのときは余裕なんてなかった。
そして――その手が不器用に私を慰めてくれるたった
それだけのなんてないことが、たった今までの大事件で悲しみと
混乱に占領されていた私の心を癒し、支配から解き放ってくれていた。
「にあもー」
幼い声で、その子はやはり小さな手で、私をなぐさめてくれる。
心配そうな顔で、幼いその子はやはり幼い私を、本気の瞳で見つめていた。
彼女は、いつも本気で、そして本音だ。
「にあもには、けしょーはにあわねーよ」
……たった今の、なし! 瞬間的になにもかもが180度反転。
「なんだとー! ゆかりー!」
私は目元を擦らせていた腕を伸ばし、ゆかりの口を思いっきり横に引っ張る。
「ひ、ひへえひへえ――にーはーほー」
「うあぉぉぉおぉぉお」
また喧嘩がはじまる。けっきょくそのとき負けたのは私だろう。
だって、記憶が途切れている。つぎに覚えている瞬間は、
母に冷たくてしみる塗り薬を傷口に塗り込められている場面だった。
隣にはその日出会ったばかりのゆかりがいて、
やはりゆかりの母に怪我の手当を――してもらってなく、
げんこつでしこたま殴られ、それにゆかりが果敢に、いや、
無謀に抵抗するという大立ち回りだった。勝てるはずがない、
と思ったけど、同時に負けてなるものか、とも思った。
そういえばなぜ私とゆかりは喧嘩してたんだっけ――
525 :
うちゅー
◆ZzAZUxozdw
:2004/02/24(火) 01:42 ID:???
「――なに黙ってるの、にゃも? まさか道に迷ったとかー?」
「え? ああ。思いだしてたのよ。さっき通ったビルの前でね」
「ん――?」
助手席のゆかりが後ろを振り向くが、もちろんそのビルはとっくに彼方だ。
「もしかして、中1まで空き地だったとこ?」
「え? わかったの?」
「わからいでかー。この辺は庭だったしねえ。
どこになにがあったっかもみんな覚えてるし、
あちこちに戦歴を刻んできたからねえ」
「そうね――それで私はいつも連れ回されて、ゆかりに」
「子分Aだったもんなー」
「うるさい黙れ」
「なんだよー、本当のことじゃないかー」
「うっとうしい。首にまとわりつくな」
「もう、にゃもったら恥ずかしがってー」
私は激しくハンドルを切った。
「うわっ、事故を起こしたらどうするんだよ」
「あらごめんなさい」
「わざとのくせに、わざとのくせにー」
まったく、自分で運転するときはどんなに激しい横Gでも
大声で笑ってるくせに、人が運転してるときはちょっとのことで騒ぐ。
「ゆかり、ついたわよ。ここでいいんでしょ?」
私は車を停めた。
「うん、ありがと」
その2階建てのアパートはとても古ぼけていて、
ほんの10年近く前まで住んでいたとは、とても思えないほど
落ちぶれてひどい有様だった。外側備え付けの階段に足をかけると、
錆びてぼろぼろになった赤い鉄が垢のように落ちる。
それはそのまま、歳月の重みのように感じられる。
とっくに寿命が来ているアパートはしかし、
借家としての命数はまだ切れてはいないようだった。
階段を数段登ったところに、備え付けの手紙入れが幾つか針金で吊されている。
その中で広告に呑まれてない現役のものは、2つ。
「まだ2世帯、2階に暮らしているんだ」
「にゃもと私がいたころと、おなじ数だね」
「こんなに痛んでしまったのに、誰が借りるんだろ」
「さあてね? まあいいじゃん、行こうぜ」
526 :
うちゅー
◆ZzAZUxozdw
:2004/02/24(火) 01:58 ID:???
思春期を迎えるか迎えないかという年齢まで住んでいた私の部屋は、
今は誰も借りてなかった。鍵さえも壊れたドアを開けると、
風圧でいきなり周囲が灰色に染まった。
「うわひどい埃! すごいね、畳なんて完全に腐ってるよ」
とっくの昔に管理を放棄され、もはや日本ブレイク工業辺りに
解体されるまで永遠に誰も住むことはないであろう私の思い出の場。
あまりの変貌ぶりに、感慨などまるでない。
「それでゆかり? いったいここに、なんの用があるの?」
「いやね、ちょっと忘れ物があってね。まだあれば、だけど」
ゆかりはおもむろに押入れのほうに向かってゆく。
押し入れの上段によじのぼると、そのまま天井板を外し始めた。
いったいなにをしようというのだろう。
私の部屋にたしかにゆかりも良く来ていたが、幼いころ、
隠しものでもしたのだろうか? ――空き地に宝箱を埋めたことはあったけど。
「スカートが汚れるわよ、ゆかり」
「だいじょうぶにゃも、だいじょうぶ」
板を外し終えたゆかりは、そのまま天井裏によじのぼっていった。
「グンゼで熊さん柄なんて、お子さまよ、ゆかり」
「よけいなもの見るんじゃねー」
数分間、天井からごそごそと、まるでねずみが走りまわってるような音が
聞こえてきた。もし私に槍があったなら、
そのままぶすりと刺していたかも知れない。ゆかり、運が良かったな。
「お、あったあった」
目的のものを見つけたようで、ゆかりはネズミのように染まって降りてきた。
「埃だらけよ、車にのせたげないから」
「いいじゃんいいじゃん。そんな小さなこと、
気にしない気にしない。ほれ、これだよ」
それは――小さなお菓子の箱だった。
でもこれ、どこかで見たことがあるような……
「え、これ、もしかして……小学校卒業のときの、タイムカプセル?」
「ふふふ、その通り。えへん」
「でも、それって、空き地がビルになってしまって、その」
「ゆかりちゃんにぬかりなし。夜のうちに忍び込んで、
ショベルカーでごそっと」
……そういえば、新聞でちらっと見た気がする。
何者かがショベルカーで暴れていろいろ壊したとかなんとか。
そのせいで、ビルの完成が1月延びたって聞いたけど――
「あの、その――でもなぜ私のとこに? というか、当時教えてくれても」
「だってうちに隠せねーもん。かーちゃん怖いしー」
……そういう問題じゃないよーな気がする。
527 :
うちゅー
◆ZzAZUxozdw
:2004/02/24(火) 02:00 ID:???
――つづく――24日22:00までにまた投稿します。
528 :
(・∀・)イイ!
◆EEE802ToMo
:2004/02/24(火) 02:37 ID:???
キタ━━━━(Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━━━━ !!!!!
529 :
伯爵
:2004/02/24(火) 13:53 ID:???
もつかれー。完成したら、ageていただけると、嬉しい。
530 :
なも
◆zQyv8380ig
:2004/02/24(火) 18:30 ID:???
えぇ雰囲気ですなぁ…少女時代だけど今と同じ…。
続き期待!
↓お題はアナタね。
531 :
伯爵
:2004/02/24(火) 20:20 ID:???
『おせんべいとチョコとソフトクリームの関係』
と言う題名で。一本。
ただし、バレンタインネタは不可。
532 :
( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り)
◆CRIUZyjmw6
:2004/02/24(火) 20:46 ID:???
キタァーーーーーーー
あえて次を読むまで感想は書かない。。
>>531
大阪が言いそうなことを…
>>540
よろ〜っと
533 :
うちゅー
◆ZzAZUxozdw
:2004/02/24(火) 23:05 ID:???
「さてと」
部屋の真ん中に置いた箱。それをゆかりは、
なんの躊躇もなしに開けようとした。
「ちょ、ちょーっと待った!」
私はあわててゆかりの腕を掴む。
かつてと違っていまの私は体力的にゆかりを圧倒している。
ちょっと力を入れたら、ゆかりは逆らえない。
込められた力の強さに戸惑ったか、ゆかりは小さな悲鳴をあげ、そして抗議した。
「な、なにするのよ」
「だって、感動もなにもないじゃない!」
「えー、なんでー。ていうかさあ、タイムカプセル埋めてた空き地が
工事で消えるって聞いても、にゃもほとんど関心示さなかったじゃん。
あーそーか、当時片思い中だった近くの中学の男子生徒とかの
写真なんか入れてあったの? 中房になってそうそう失恋しちゃってたから
どうでもよかったというか、かえって安心してたー?」
図星っ!
「が……学校行事のことは1年で忘れるのに、
そんなどうでもいいことは覚えてるのね」
「あんな禿頭のどこが良かったんかねえ」
「もう! 怒るわよ!」
「隙ありぃ!」
「しまった」
私がゆかりのからかいに気を逸らした一瞬、こいつめ、
まんまと私の腕を払って箱を開けやがった。ったく、ちょっとした策士だ。
ゆかりは興味津々にかつて私やゆかり、そして数名の仲良しグループで
埋めたいろんなものを物色している。
「わー、見てこれ。メア助のやつ、自分の描いたへたくそな漫画なんて
入れてるよ。そういやあいつ、まだ漫画家目指してるのかな――うえっ、
なにこれ汚い人形。食パンマン……ああ! 五十三次のじゃん!
なんでこんなの入れてるかなー」
メア助とか五十三次とか言ってるが、なんてことはない、
堂々とした日本人で、ちゃんとした本名がある。
徒名にするにはあまりにも無体な呼称だが、
これがゆかりの変態的能力のひとつでかつ皆にその呼び名の多くを
浸透させてしまうのだから恐ろしい力だ。ゆかりに目を付けられたら、
平和な日常はあきらめろ。それは誇張ではあっても、絵空事ではない。
私だってどうしてみなもでにゃもなのかさっぱり判らなかったが、
なつみでメア助とか、東堂で五十三次よりははるかにましだった。
さすがに多少大人になったのか、大学以降は下火になったが――
534 :
うちゅー
◆ZzAZUxozdw
:2004/02/24(火) 23:05 ID:???
「……あ! やっぱりこいつ好きだったんだ」
「え?」
う、はっきり映っている、恥ずかしい思い出!
「わっ! いやっ、待って!」
「へへへーん。まったくこのときから基本的な好みって変わってないんだねー。奥手ー」
「きゃーきゃー!」
もうなにがなんだかわからない。見られたくない赤点のテストが
親にばれたときのような、恥ずかしさが脳天から足先まで貫いた
衝動が私を駆り立て、一刻一瞬でもはやくこの心理を解決しようと私を急かす。
だがゆかりの奴は冷静に私の動きを掴んでいて、
まるで私は赤いマントにただひたすら突進する猛牛のように追いすがっては
宙を掴むということを繰り返していた。
「やめて、やめて! ゆかりー!」
「青いねぇー。青春だねえー。かわいいねー、にゃもー?」
「もう! もお!」
どたばたと狭い部屋の中を走りまわる。まだひよっことはいえ
就職もしてるいい大人が、2人してこんなところでなにしてるんだか――と
頭の片隅が冷静に警告を出しているが、体の大半を支配している本能が
それを封殺している。私はいま、ただのニワトリだ。
餌をおいかける馬だ。ドッグレースの犬っころだ。
「うるせぇバカ!!」
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