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20の倍数がSSを書くスレ
472 :
眠い名有り
◆CRIUZyjmw6
:2004/02/05(木) 19:25 ID:???
「わーい。せんとーだ、せんとー!!!」
「よつばちゃん、走ると危ないわよ。」
ここは銭湯の脱衣所。もう夜も遅く、ここにいるのは二人きりである。
何故家族でもない二人が、しかも夜遅くに銭湯に来ているのか?
それはあまりにも単純なことである。
473 :
眠い名有り
◆CRIUZyjmw6
:2004/02/05(木) 19:25 ID:???
冬の夜、テレビでたまたま銭湯のことをしていた。そして、その銭湯の看板には近くにある屋敷と同じ、大きい「ゆ」の字が…
「とーちゃん、せんとーってなんだ?」
「銭湯か?簡単に言えばでかい風呂だな。」
「おもしろいところか?」
「おもしろい…かな?」
「よつば行きてー!とーちゃん!せんとーだ、せんとー!」
よつばは寝ていたとーちゃんの上に、いきなりよつばがボディプレスをかけた。
「う゛っ!」
「とーちゃん、せんとーだ。せんとー!」
「う…今はだめだ。とーちゃんは眠いんだ。寝させてくれ…家の風呂で十分だろ… ZZZ…」
「とーちゃんはだめだ。 いーや。よつば一人で行こう!」
よつばはさっそく扉を開けた。すると…
「あっ、よつばちゃん。どうしたの?」
塾から帰途についていた風香がいた。
「せんとーに行くんだ!」
「へー銭湯に…って準備は?」
無論、銭湯を体験したことの無いよつばは風呂道具どころかお金すら持ってない。
「どーぐが必要なのか?」
「道具って言うか…タオルに…着替えに…垢すりに… あとお金も。」
「お金も必要なのか!?」
「まったく、何も知らないで行こうとしたの?お父さんは?」
「寝てる!とーちゃんはだめだ!!」
「それじゃぁ仕方ないなぁ。私がついてってあげる」
「ほんとーか!?」
「本当よ。それじゃぁ、私が準備してくるからそれまで家の中で待っててね。」
「わーい。ありがとー ふーか」
474 :
眠い名有り
◆CRIUZyjmw6
:2004/02/05(木) 19:26 ID:???
こういういきさつで風香はよつばと一緒に銭湯に来ることとなった。
二人とも服を脱ぎ終え、ロッカーの鍵をかけた。よつばに関しては、あの特徴的な髪型ではなくなっている。
「よつばちゃん、じゃぁ入ろうか」
「おー!」
風香がドアを開けると、よつばは驚いた表情で中を見る。
「すげー広いふろだー!わーい!!」
「あっ、よつばちゃん、走っちゃ…」
そういった矢先だった。小さい段差によつばがつまずいて風呂の縁にぶつかり、浴槽へ…
バッシャーーーン!
「ああっ!?よつばちゃん!?」
風香はすぐさま浴槽に駆け出す。が、よつばは何事も無かったかのように潜水していた。
「はぁ…よかった…」
風香は安心してよつばが落ちたのと反対側の浴槽に入った。
「ふぅ」
―あー気持ちいい。やっぱり大きいお風呂はいいなぁ〜
そう思ってるうちに一つおかしい事に気づいた。
―あれ?よつばちゃんが上がってこない…あれから二・三分くらい立ってるのに…
心配になった風香は、浴槽に近づいて顔をのぞかせた。一瞬、最悪の事態が頭をよぎったが…
「ぷはぁ!!」
「うわっ!」
よつばがいきなり顔を出す。驚いた風香はしりもちをついてしまった。
「よっ、よつばちゃん、まさかずーーっと潜ってた?」
「おう!ずーっと潜ってたぞ。」
風香は改めてよつばのすごさを実感した。
475 :
眠い名有り
◆CRIUZyjmw6
:2004/02/05(木) 19:26 ID:???
「それじゃぁ、体を洗ってきましょうか?」
「おー!」
風香はよつばの横に座り、頭にシャンプーをかけて洗ってやる。
「おー、泡ぶくだー 泡だ泡」
「よつばちゃん、楽しい?」
「おう、よつば楽しいぞー。 あいてー!」
「どっ、どうしたの?よつばちゃん!」
「目がいたいーー」
「あっ、目に入ったのね。はい」
ザァァァーーーーーーー…
風香はすぐにシャワーで洗ってやった。そして、よつばの体も洗ってやり、自分の体を洗おうとしたとき…
「ふーか、体洗うのか?」
「えっ、まぁそうだけど…」
「じゃぁさっきのお礼だ!よつばが洗ってやる!」
「…まぁいいわよ」
476 :
眠い名有り
◆CRIUZyjmw6
:2004/02/05(木) 19:27 ID:???
よつばがやることなので、少々不安があったが、別にひどいことにはならないと思い、風香はすぐにOKした。
「それーふーか!つのだー!」
よつばはよく子供がやるシャンプーで髪型を変える奴をやっていた。その時ふと、よつばの手が止まった。
「どうしたの?」
「どーしてよつばだけかみが緑なの?」
「えっ、それは…」
それは、よつばが外国で拾われた子だから。
でも、そんなことを風香は言えるはずも無かった。
「よつばだけ仲間はずれか?」
よつばは今にも泣きそうな顔をして風香を見た。
「そっ、それは…ほら、誰にでもあることなのよ」
「ほんとうか?だってふーかも…」
「ほら、あさぎお姉ちゃん見てみなさいよ。あさぎお姉ちゃんも髪の色黒くないでしょ。
それに、ほら。髪の色が違うほうが…あ…強い」
「そーだな!じゃあよつばは強いんだ!!」
そう言うなりよつばは風香の身体を洗うことをすっかり忘れて浴槽に飛び込んでいった。
風香は説明の材料(?)となってくれた姉、あさぎに初めて感謝した。
そして、その日の帰り道…
「よつばちゃん。楽しかった?」
「うん!」
よつばは楽しそうに頷く。風香にとって、よつばはもう家族のような存在になっていた。
たとえ血のつながりは無くても…
「じゃぁ、今度また一緒にお風呂入ろうか?」
「おー!」
よつばは満面の笑みで返事をした。その夜、よつばは風香の家で一夜を過ごした…
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