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20の倍数がSSを書くスレ

146 :ツインテール ◆SKYOSAKAKI :2003/05/24 09:22 ID:???
>>120で約束した平井の逆襲です。>>106>>108>>110とは対になる内容です。
1/6
「みじめだわ……」
平井百合子は物憂げにつぶやいた。
その切れ長の瞳が見つめるものは、ふたりの女生徒。
昼食の喧騒が響く教室のなかで、いっそう騒がしい2人。
滝野智と水原暦である。
「そのコロッケおいしそー! いただきー!」
「こらっ! 人のおかずをとるんじゃねえ! 返せ。」
今日も楽しげにケンカしている。
それを見つめながらに思う。
あそこで滝野さんとじゃれ合っているのが自分であったならと。

147 :ツインテール ◆SKYOSAKAKI :2003/05/24 09:23 ID:???
2/6
2ヶ月前のこと。
百合子は智に告白した。
そしてきっぱりと拒絶された。
あまりにもストレートな返事に衝撃はあったものの、
その事は百合子の気持ちを変える要因にはなり得なかった。
百合子は智のその屈託の無さをこそ愛していたから。
むしろその一件は百合子が智に執着する気持ちを強める結果となった。
それからしばらくはただ智を見つめるだけの日々が続いた。
その一方で、智は暦と顔を合わせる事が多くなった。
暦は迷惑そうな態度をとりつつも、よく笑うようになった。

148 :ツインテール ◆SKYOSAKAKI :2003/05/24 09:24 ID:???
3/6
当然、百合子は暦に嫉妬の炎を燃やした。
智が自分を受け入れてくれなかった原因は暦なのだと。
暦をいじめの標的にする事は造作も無い事だった。
初めはささいないたずら書きだった。
しかし、それは瞬く間に増えていき、しまいには暦の机はひどい有様に
成り果てていた。
椅子の画鋲、下足入れへの悪戯、自分は直接手を下すことなく、
暦へのいじめは次第にエスカレートしていく。
もはや自分では止めようが無かった。
そしてついには、自ら事故を装って暦にバケツの水を浴びせたのだ。
ずぶ濡れになった水原の姿を見るのは痛快だった。
だがその痛快な気分は長くはなかった。
次の瞬間には智に殴られている自分の姿があったからだ。
「暦」ではなく「智」に殴られたのだ。

どこで間違ったのだろう。自分は智と仲良くなりたかっただけなのに。

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