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20の倍数がSSを書くスレ

1 :安梨沙 ◆ARISA/KXTc :2003/05/06 23:35 ID:DXfx3SYY
20の倍数のレス番の人がそれ以前のスレで書かれている
事をテーマとしてSSを即興書いてください。

プロ・アマ問いません。

552 :名無しさんちゃうねん:2004/03/16(火) 17:45 ID:???
ok yattemiru
de odaiha oiraga dasiteiinon ?

553 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/03/16(火) 17:46 ID:???
お題は>>530
ついでに>>560へのお代は貴方が出す

554 :名無しさんちゃうねん:2004/03/16(火) 18:15 ID:???
deha odaiha
「人生はかくも素晴らしく美しい」
toihukotode

555 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/03/19(金) 21:20 ID:???
>>554
貴方も>>530のお題のSSを書くように

556 :名無しさんちゃうねん :2004/03/22(月) 12:33 ID:???
gangaru

557 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/04/10(土) 09:55 ID:???
期待あげ

558 :へーちょ名無しさん:2004/04/27(火) 00:37 ID:???
age

559 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2004/04/30(金) 02:30 ID:???
さて何が出るかな?

560 :『おせんべとチョコとソフトクリームの関係』:2004/05/05(水) 05:00 ID:???
「おせんべはな」
 あ、きたと神楽は思った。
 うららかな春の日のことである。
「人気者で、チョコも人気者」
 ほならやー、バレンタインに当たるのは、何の日? かくん、と首をかしげる愛らしい少女。もう今年で二十歳になる。
 高校時代の同級生で、今は休日を二人で過ごす中になった春日歩のぶっ飛んだ会話は、今となっては珍しいものではない。神楽は話題の中心になっている煎餅を齧って少し考えた。
 つまり愛しい人にチョコをあげる風習がバレンタインデーとするならば、おせんべをあげる風習があるとすればそれはいつかと彼女は尋ねたいのだ。
 あげる対象はどんな人なのか、シュチュえーションは、そんなことをしばらく考えて、神楽は応える。
「敬老の日」
「なるほど」
 ぽん、と手のひらを打つ、歩。
 そして陽だまりでお茶啜る音。
「あ、でもそれはおかしいな」
「なにが」
「お年よりは、歯が悪い」
 あー。
 神楽は素直に感心した。とたんに、ぶっ、と淑女らしからぬラッパの音。歩は黙ってからからと窓を開ける。さっと、春の風。
 そ知らぬ顔して、神楽。
「しゃぶって食うんじゃないか? そんでゆっくり噛み割る」
「なるほど」
 また、ぽん、と手を打って歩はお茶をまた一啜りし、ぶ、やて、と呟いた。その呟きを聞いて、神楽が笑いをかみ殺す。
 遠くから、物干し竿売りのテープの呼びかけ。戦争反対の街頭演説車のアジ。猫を呼ぶ子供の声。
「同じしゃぶるんならやー」
「ん? 」
「ソフトクリームのほうが良くないかなあ」
 あー。
 同意とも感心ともとれる曖昧な返事で神楽は応える。
 うつぶせていた身体をぐるんとひっくり返して神楽は、自宅の天井を眺める。波上の木目がうねっていた。

561 :『おせんべとチョコとソフトクリームの関係』 :2004/05/05(水) 05:25 ID:???
「でも、ソフトクリームは、お年寄りに関係ないだろ」
「それもそうやー」
 近いところから声が聞こえたので目だけ声の方向に向けると、歩もそばに寝ていた。少し背伸びして歩の手をつかんでみる。細い手首だ。
「けど柔らかくておいしいという点では、ソフトクリームの勝ちやな」
「ああ、よかったなー」
 たるんとした口調に反して、神楽の手はせわしなく動く。歩の手首を撫でる、愛しげに。
「神楽ちゃん」
「あ? 」
「煎餅齧るよ」
「あ、待って、取ってやるから」
 空の手をぶらぶらさせて煎餅の袋を探したら、もう片方の手がぐいっと引っ張られて肩に痛みが走る。突っ張ってる腕。但しそれは一瞬のこと。
 腕が引っ張られる感触が緩んだ瞬間、ちくり、と指に固い感覚。そしてとろりと溶ける感覚。
「お前はお年寄りか」
「なんれ? 」
「しゃぶって煎餅食ってるからさ」
 くふふ、と笑う声がする。歩の筋肉の細かい動きが、肌を通して全身に広がっていく。そして手のひらが、ひらたく柔らかい部分に押し付けられたのを感じる。
 神楽にとって、この感触はとてもとても愛しい。
 大阪の柔らかな頬の感触。
 歩の手が、神楽の手のひらに頬擦りしている感触。

    (続 感想などはしばし待て あるいは会議室

562 :『おせんべとチョコとソフトクリームの関係』:2004/05/05(水) 14:06 ID:???
「あ、逆転ハッソーとびー」
 確かに発想は飛んでるけどな、との神楽の独り言を聞いてか聞かずか、この天然ボケ娘は脳天気に言葉を続ける。
「全部ひっくるめて」
「チョコソフトクリーム煎餅とか言ったら、別れる」
「えー? どーしてー? 今日の神楽ちゃんみたいで美味しいのに」
「今日の私みたいって、なんだよ」
「ミスマッチで」
「どおおおおおせ、私にスカートは似合わないよ! 」
 腹筋に力をこめて叫ぶと、その恋人のようなものであるところの春日歩は、これまた脳天気にあはははは、と笑った。
「怒ることないやん。ミスマッチで、美味しいんよ? 煎餅の塩味と、ソフトクリームの甘さがこう混然となってな」
「そんなゲテモン食えるか」
「それどんなポケモン? 」
「おまえみたいな奴だ! 」
 くいっと神楽が力を入れると、歩の肘の蝶番がすうっと開く。とすんと預けられる歩の白い手のひら。優しく撫ぜると、五月の日を吸ってじんわり暖かい。
「そーか、私はゲテモン」
 ぽかんとした関西訛り。神楽の耳に心地いい。
「そんなゲテモンを食べる神楽ちゃんはゲテモノ食い」
 真夏には煎餅の焦げ色から、こってりとしたチョコレートの肌になる神楽の身体がまた反転する。春の影を落した部屋の中、歩の上にまた一段と濃い影が、さした。
 そして、ゲテモノ食いが味見。
 長い、それでも唇だけのあっさりしたキスの後、唇を離した神楽の髪を、白く細い指がすいた。子供用の、アイスのミルクキャンディーみたいな指。融けるような歩の囁き。
 髪、長くなったな。ん、ああ、もう肩まで、伸びた。こうすると、あたしの顔にもあたんねん。ああ……、あの、歩。何? やっぱり、髪長いの、似合わないかな?
「確かに高校の時とはまるで違って見える」
「ど、どういう風に? 」
 むっちゃべっぴんさんや。
 歩の顔が近づく。首筋が伸びて、襟元から柔らかい鎖骨が覗く。鼻の頭と鼻の頭が、すりすりした。
「大阪も随分大人っぽくなった」
「それは嘘」
「ああ」
 笑いを堪えた神楽の唇に、神楽からそういわれるの久しぶりや、と囁く唇が重なる。
 大阪の肌から、優しいミルクの香りがした。

563 :『おせんべとチョコとソフトクリームの関係』:2004/05/05(水) 14:30 ID:???
 二人の黄金週間。
 風がさらさら気持ちいいね。
 触れ合う鼻と鼻、温かいね。
 かぐら、って真剣な声に、なあにって尋ねたら。
 オレ、神楽のこと本気で愛してるゼ、だって。丁寧な標準語で、大阪が。
 思わず腹筋がつって、笑いが抑えられない。
「うるさいな、いきなり、ブ、とか言う音を立てる神楽には言われたくない! 」
 ブ、やて、ブ。そんな囁きに、堪えきれなくなってひっくり返り、笑いに悶絶する神楽。
 涙まで出るほど笑う美しい褐色の娘の、萌黄色のワンピースが、笑い身をよじるたび、すその形をさらさら変える。床に広がる神楽の、緩やかに伸びたウェーブの髪。
 その上に、ふわりと歩が舞い降りた。
 うっとりと目を細めて囁く白い天使。
「けどよかった」
「なにが? 」
 笑いがひくひくいっている神楽の問いに、恋人の少し斜めに曲がった答え。
 よう似合うとって。
 春日歩の選んだワンピースに包まれて、昔の体力勝負バカはちょっと赤面する。

 静かな部屋と静かな二人の中に、外からの雑音だけが低く低く。
 ゴールデンウィーク五月二日、晴れ。
 行楽日和で、日中一杯穏やかな日差しが注ぐでしょう。
                             了)

564 :伯爵 ◆LordI :2004/05/05(水) 14:31 ID:6AfLy.Co
 長いこととまっていたので、責任もって書きました反省

565 :『人生は書くも素晴らしく美しい』:2004/05/06(木) 13:11 ID:???
 カーテンを開けてみる。
 しぱしぱした目に手のひらを外に翳すと、夏の日差しに骨が透けて見えた。この肉体は生きている、そう思う。
 軽く伸びをする。長い間同じ姿勢で固まっていた身体がじわじわと強張りを解く。欠伸が出た。
 もう少し頑張らなくてはならない進行状況なので、この小休止が終わったらまた再開しなくてはならない。欠伸の名残を目尻から人差し指で拭った。涙一筋。
 なのに気がつけば、自分で決めていた時間以上に、ボーっとしてしまう。
 何となくまた手を窓に向かって翳した。いい天気だった。

 我が家の娘が手のひらを翳して空を見ていたのは、いつのことだったろう? 確か父母の住む田舎での光景だったに違いない。自分が幼い頃過ごした雑木林の風景がその想い出に重なる。
「太陽は直接見たら、危ない」
「ああ、目がしぱしぱするぞ!! 」
 そんなことを言いながら、娘は手のひら越しに太陽を見ていた。さて何が面白いのか。あんまり見続けるので、私は彼女の目を手で覆って止めさせて。どれ、とーちゃんにも見せてみなさい。
「とーちゃん、自分の手じゃダメなのか!? 」
「とーちゃんの手は、お前の手より厚いから、透けて見えないのだよ。
 ほら、今見えないだろ? 」
 ふーん不便な手だな。彼女はそう言って、高く高く手を掲げた。とーちゃん、見ろ。私は屈み込む。娘の手のひら越しに空を見上げる。
 柔らかい蜜柑の温かさと命のピンク、その中に細い骨は融けたように、見えた。
 この肉体は、生きている。
 ああ、そうだ。
 私はあの後、何故だかどっと涙が止まらなかった。声を殺して泣いた。
「とーちゃん、どーした!? どこか痛いのか!? 」
 私は大きくうなづいて見せた。
「目が、痛い。痛いよう」
「え!? 目か!? 」
 彼女は容易く騙されてくれた。親の身としては、目をいためてしまう太陽の直視をさせたくなかったのも理由の一つだ。けれど大部分は、泣いてる理由を悟られたくない大人の見栄だった。
 泣いている理由も、自分にはわからないのだが。
「あたしは平気だよ? 」
 歳をとると目が弱くなるんだよ。喉を詰まらせながらそう言うと、彼女はもう一度自分の手のひらを翳して、なるほど目がしぱしぱする、と呟いた。


 

566 :『人生はかくも素晴らしく美しい』:2004/05/06(木) 13:12 ID:???
 今思い返せば、あの時の自分の涙の説明もつくのだが、そんな事はどうでもいい。
 目を閉じる。
 瞼の下の闇の中に、その小さな手のひらを思い描く。
 首を左右に曲げる。いい音がした。
「勉強はしてるのか? 」
 私の後ろにこっそりと近づく影に話し掛ける。その影は、見つかっちゃったか、と言ってエヘヘと笑った。
「父上殿はまた家で仕事ですか」
「仕方ないだろ。お前こそ、受験大丈夫なのか? 」
 選んでいいのは二校だけだからな、最近受験料まで高くなって親は敵わん、と説教すると、へいへーいとやる気のない返事。
「お前な……」
「あ! 今日もいい天気だ父上様! うはーでっかい太陽!! 」
 窓際まで駆け寄って、彼女は手を翳す。少し離れたこの位置でも、その指先が透けて命のきらめく姿が見えた。
「どれどれ? そんなにでっかいか? 」
 私は側に近寄って、さっきのように手を翳そうとした。その時。
「だめ!! 」
 彼女の背伸びした手のひらが、私の両目をすっぽりと覆った。温かな手のひら。
「なななな、どうした!? 」
「歳とったら、目が弱くなるんだぞ! 太陽なんか見たら涙が止まらなくなる!! 」
 

567 :『人生はかくも素晴らしく美しい』:2004/05/06(木) 13:12 ID:???
 暑さに蝉すら静まりそうな正午。
 遠くの工場から食休告げる放送。
 ゆるく静かに鳴り響くサイレン。
 今更のように感じる床の冷たさ。
 そして私の瞼を覆う闇、温かい。
 
 先に沈黙を破ったのは、私の吹き出した音だ。くすくす笑い、それがやがて大笑いに。恥かしそうにしかし急いで、私の瞼から下ろされる手。
「な、なんだよ!! なんか間違ってたのかよ!? ほんとだぞ! 聞いたんだぞ!! 」
 誰にだよ、と聞こうとしたら、ソーメンゆだったわよー、と階下からの声が中断する。
「はーい! 」
 元気よく答えてからこの生意気な娘は、さてそーめんつるつるしようかね父上、と母親譲りのくりくりした目をさせた。
 私は大きく欠伸をする。とてもとても長い欠伸なので、目尻に涙がたまってしまう。幾度も欠伸が出るから、手で顔を覆わずにはいられない。人差し指と親指で涙を拭った。
 嗚咽を漏らしてしまうほど、もう若くない。
「なんだよー、仕事もいいけどちゃんと寝ろよ」
「……ああ、すまんすまん。今忙しくて、な」
 容易く騙されてくれた彼女は、ぱっと私に背を向けて。全く気をつけろよーと呟いた。何故か声が、震えていた。涙を堪えているようにも、見えた。
「にいさーん! ともー!! ごはんよー!! 」
 少し苛立った妹の声が、ぱちんと余韻を遮る。あ、おねーちゃん怒ってる、急ごう!! 振り返った智は満面の笑顔だ。とすれば、泣きそうに見えたのは気のせいだったのだな。
「よし! つるつるするか!! 」
「つるつるしよー!! 」
 私は思い切り伸びをする。
 大きく大きく伸びをする。
 廊下に駆け出す娘の後姿。
 残された私は大きな欠伸。
 ふう、息をつく。
 伸ばされた腕を窓に向けると、手のひらの骨が透けて見えた。この肉体は生きている。
 とーちゃん、おせーぞー!! 
 智の、一際大きな声に、おーう! と叫んで。
「さて、つるつるしますか」
 しゃっと、薄手のカーテンを閉める。安らかな暗がりが部屋を覆った。ときおり外からの風でカーテンのすそ、はたはた。

 今日はいい天気だ。
 あしたもきっと、晴れるだろう。
                      了)
 

568 :546:2004/05/07(金) 14:31 ID:???
aaa,mosottomattehosikatta...gomen

569 :伯爵 ◆LordI :2004/05/07(金) 18:29 ID:???
>>568
 申し訳ありません。もともとこのお題の20の倍数を踏んだのは私でしたし、ここまで止まってたのも、私の絡みにくい御代のせいでもありましたから
 つまらない真似してすいませんでした

570 :546:2004/05/08(土) 09:13 ID:???
eeto,kakikakeno butu ,donaisimahyoka?

571 :伯爵 ◆LordI :2004/05/08(土) 12:36 ID:???
>>570
控え室あたりにアップしたらいかがでしょう?

……それから、御題hundemasuyo?

お題よろ〜

572 :546:2004/05/08(土) 14:11 ID:???
azumanga de yaroutositara muridattanode mattaku no orijinaru
a,sousakuban to iu tega arimasita

de,odaidesuka?

「あずまんがのキャラ一名を選び、そのフルネームを折り句にして、一本」

573 :へーちょ名無しさん:2004/05/08(土) 14:55 ID:???
こんなこと聞いたらバカみたいに思われるかもしれないけど。

折り句ってなに?

574 :へーちょ名無しさん:2004/05/08(土) 15:29 ID:???
http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%C0%DE%B6%E7&kind=jn&mode=1

575 :さかちー:2004/05/08(土) 17:30 ID:???
短歌や俳句を作ろうとすると、
「みはまちよ」「たきのとも」
「さかき」「かぐら」「ちひろ」なんてとこしか使えないけど……

行の頭にその文字が来る(つまり縦読み)ではなく、
短歌や俳句じゃないとダメ?

576 :へーちょ名無しさん:2004/05/08(土) 17:36 ID:???
縦読みってことでいいんじゃない?
>>572もそこまで細かいこと言わないと思うし。

577 :546:2004/05/09(日) 08:49 ID:???
kakudanraku mosikuha kakusyou de oriku ni natteru SS toiukotode.

578 :へーちょ名無しさん:2004/05/09(日) 19:31 ID:???
さくさくススム。

579 :伯爵バイト中 ◆xTfHc.nBiE :2004/05/11(火) 02:39 ID:???
どんどこ進む

580 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/05/27(木) 22:14 ID:???
ずさ

かいがらひろって
すすみゆく
がすけつのくるまをおいて
あるいたかえりみち
ゆっくりおっとりのせいかくは
むかしもいまもかわらない

>>572
俳句とか、短歌じゃなくちゃだめ?
もしダメだったら、破調と言う事で許して(ぉぃ
うそです作り直しますよ。

581 :546:2004/05/30(日) 14:21 ID:???
iya,arigatougozaimasita.

582 :へーちょ名無しさん:2004/05/31(月) 11:18 ID:???
>>580 GJ!!!

583 :へーちょ名無しさん:2004/06/06(日) 09:13 ID:???
さぁ、どんどん行きましょう

584 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/06/08(火) 00:27 ID:???
じゃ、便乗してどこどこ

585 :へーちょ名無しさん:2004/06/09(水) 19:05 ID:???
あと5

586 :へーちょ名無しさん:2004/06/09(水) 21:52 ID:???
4

587 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/06/11(金) 21:43 ID:???
3

588 :花菱充博(・▽・)Part2 ◆LmVRdwDmLY :2004/06/11(金) 22:06 ID:???
deux

589 :へーちょ名無しさん:2004/06/12(土) 00:23 ID:???
↓よろ

590 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/06/12(土) 00:47 ID:???
どさー

591 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/06/12(土) 00:50 ID:???
お題は…
「死んだ友の幻影」
で。

592 :へーちょ名無しさん:2004/06/12(土) 01:20 ID:???
>>591
キミはそんなのばっかしやなー。
そういう年頃かもしれんけどな。

593 :メジロマヤー ◆HFDLMAyar6 :2004/06/12(土) 01:24 ID:???
いずれにせよ立候補はしないので誰か適当によろしくー

594 :ケンドロス ◆ax0bwpYU :2004/06/12(土) 02:28 ID:???
死んだ友の幻影・・・・・・
何か特撮系とか戦争系によくありそうなパターンな気がする。
どっちみち俺は書かないっす。

595 :なも ◆RoRiKONI2M :2004/06/12(土) 02:48 ID:???
上におなじく〜。

596 :( ̄〇 ̄)。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/06/12(土) 09:14 ID:???
>>952
実は999の「青春の幻影」ってので、思いついたりしていて…

597 :さかちー:2004/06/18(金) 03:08 ID:???
埋め

598 :さかちー:2004/06/18(金) 03:08 ID:???
もういっちょ

599 :さかちー:2004/06/18(金) 03:11 ID:???
先に申し上げておきますと、SSを書くときに原作と矛盾がないように
しているつもりですが、自分の書いたSS同士が矛盾していることは
多々あります。俺が書くSSは基本的に繋がりを想定していません。

要は俺の他の作品と言ってることが違っても気にするなということで。

600 :死んだ友の幻影:2004/06/18(金) 03:12 ID:???
 ともは墓の前にしゃがみこみ、両手を合わせ、目を瞑り、ただ黙っていた。
ともは何を考えているのだろうか。もちろん黙祷を捧げているわけだが、
私が気になるのはともが何を考えて黙祷を捧げているかということだ。
 一年生の頃からずっと同じクラスだった。家は近所だったし、学校があるときも
そうでないときも毎日のように一緒に遊んでいた。私はおてんばでやんちゃで
何をやっても騒動を巻き起こす天然トラブルメーカーなともを放っておけず、
ずっとそばにいてフォローにまわった。というよりも、視界にともが入っていないと
何をやらかすか気が気でない。そんなわけで私はともと出会って以来この数年、
とものいろんな姿を見てきたが、こんなふうにただ黙って死者に祈りを捧げているともを
見るのは初めてだった。
 だから気になるのだ。今ともが何を考えているのか。私は今ここでどうしても
ともの気持ちを知っておかなければならない。そんな気がした。
 しかし、私にはわからなかったのだ。なぜ、ただ庭に小さい穴を掘って、亡骸を埋めて
土を盛り立てて、小さな棒を突き立てた、ただの小さいハムスターが埋まっているだけの、
このお墓と呼べるかどうかも怪しいシロモノにこんなに感慨を込められるのか。

601 :さかちー:2004/06/18(金) 03:13 ID:???
 ともがハムスターを飼い始めたのは小学四年生のときだった。
 私はその話を聞いたとき脊髄反射的に言い返した。お前がちゃんとペットの世話を
できるものかと。とも自身、親にも同じことを言われたようだが、それでもともは反対を
押し切ったそうだ。絶対大切にするからと。一生懸命世話するからと。
 ハムちゃんなどという安易な命名にとものいい加減さを見たようで不安を覚えたが、
もう飼い始めてしまったものを反対してもしょうがない。ただ、よりによってともに
飼われることになってしまったハムスターの身を案ずるばかりだった。
 だが、そこから先のともは私の予想を裏切った。専用の本を買ってハムスターの
飼い方を勉強し、その内容に従ってエサや寝床もしっかりと揃えてやった。
ともを見ていてわかったことだが、ペットを飼うというのはなかなかに大変なことで、
飼い主はそのために自分のわがままを押し殺さなければならなくなる。
 ハムスターの場合は毎日規則正しくエサを与えてやらなければならない。ちょっとでも
目を離すと脱走する恐れがある。敵の多い外に出すときは特に注意しなければならない。
下手に手を差し出すとビックリして噛み付いてくるかもしれない。手乗りハムスター
なんてやってみたくても、高いところは普通嫌がる。そもそも、ハムスターは人間の
言うことを聞いてくれる動物ではない。小動物ゆえのストレスに弱いのも特徴である。
 ただ生かしているだけなら誰にでもできるだろうが、大切にするとなると
なかなかそうはいかない。生活の中でそちらのほうを優先しなければならない。
それゆえ、ともが私の家に泊まりにくることはなくなったし、ともは放課後さっさと
家に帰ることになり、私と一緒にいる時間も減った。それがおもしろくなくて
ともの家に押しかけたときも、私よりもハムスターとじゃれている時間のほうが長くて
余計におもしろくなかった。
 そんなにハムスターといることがおもしろいのか。私には理解できなかった。
所詮相手は動物なのに。言葉なんか通じないのに。心が通じるはずないのに。
 ――そもそもペットを飼ったことのない私には到底理解できない感覚だったのだ。

602 :死んだ友の幻影:2004/06/18(金) 03:14 ID:???
 小学校の卒業式のときのともはさっぱりしたものだった。中学校への進学で
別れる人なんかいないとわかっていても、理屈では説明できない感情に突き動かされて
ほとんどの人は涙してしまうものだ。特に女の子は。私は……まあ、どうでもいい。
とにかく、その点ともは他のみんなと違って涙ひとつ流さなかった。腹立たしいほどに
清々しく笑っていたものだ。決してともがドライな人間というわけではないが、
泣き顔のともというのはやっぱり想像しにくいものだった。
 だから、その日家に帰って自分の部屋でハムスターが死んでいたことにあんなにも
泣きじゃくったことが意外でならなかった。ハムスターの寿命は二、三年程度らしい。
ともが大切に飼っていたことも知っている。間違いなく天寿を全うしたのであって、
その死に関してともに全く非はない。それでもともは自分を責め続けていた。
 私はいたたまれなくなって泣きじゃくるともを連れ立って庭の隅に小さな穴を掘り、
亡骸を埋めて、土を盛り立て、申し訳程度の小さな木の棒を立てた。
 ともが黙祷を始めたために、もう泣き声は聞かずにすむようになった。
しかし、普段なら十分と黙っていられないともが、もうずっと沈黙を保ったままなのだ。
三十分か、一時間か。いや、私がそう感じているだけで、実はもっと短い時間
だったのかもしれないが。それほど、今のこの場所は静かで窮屈だった。
もうやめよう、なんて言えない。一人でここを立ち去ることもできない。
今ここでともの気持ちを知るには、そんなことをしてはいけない。

603 :死んだ友の幻影:2004/06/18(金) 03:15 ID:???
 結局ともを真似して私も祈りを捧げることにした。墓の前でしゃがみ、目を瞑り、
両手を合わせる。でも私は何を祈ればいいだろう。墓の中にいるのは、私にはまったく
無関係のものなのだ。
 あのハムスターのことを思い出す。あいつはともにも劣らないトラブルメーカーだった。
トイレの場所は守らなかった、エサの好みがうるさかった、週に一回は脱走した、
週に三回はともに噛み付いた。よくこんなやつをかわいがったものだ。
苦労しただろうに、なんでそんなにも世話を焼くんだか、気が……知れ……。
「とも」
 私は呼びかけるが、返事はない。が、かまわず先を続ける。
「ハムちゃんは、友達だったんだよな?」
 また返事はない。しかし、髪と衣擦れの音が一回だけ聞こえた。
 ならば私も祈ろう。友達の友達と、友達を亡くしてしまった親友のために。
思い出すのは、ともとハムちゃんがじゃれている姿。それはとても楽しそうで……
目から何かがこぼれそうなのを感じて、強く目を瞑った。
 どれほどの時間がたっただろう。次に私が目を開けたときには、ともはすでに
黙祷を終えたのか、立ち上がっていた。私もそれに続いて立ち上がる。
「よみ、ありがと」
「お墓のことなら、お礼はいらないぞ。私が勝手にやったんだからな」
「そうじゃないよ。……一緒に泣いてくれたこと、ありがと」
「バ、バカ! 私がいつ泣いたんだよ!」
「よみってば照れちゃってもー、かわいいなー!」
「照れてねー! こら、逃げんな!」
「ほーら捕まえてごらーん」
 あまり広くない庭で、ともは逃げ回る。私は追う。こういう光景、どっかで見たような
……もしかして、私は遊ばれてるのか!?

604 :死んだ友の幻影:2004/06/18(金) 03:16 ID:???
 それから一年もたっていない。ともが犬を飼い始めたのは。黒い犬だから名前はクロ。
またもや安易な名前だけど私にはわかる。ともはクロのことも大切にするだろう。
 しかし……それでも……。
「とも、いいのか?」
「何が?」
 ――ハムちゃんのときと同じ思いを繰り返してもいいのか?
 言えなかった。代わりに庭の一角をちらっと見る。ハムちゃんのお墓のあったところ。
雨と風に晒されたそこは、今では他の土となんら違うところはない。
 そこに何か見えるとしたら、もはや幻影でしかない。
 ともがいつのまにか私と視線をそろえていた。
「また泣くかもしれない」
 今度は私の方を見ながら。
「でも、私は泣くために飼うんじゃないよ」
 ともは黒い子犬を抱きしめる。クロはまだ赤ちゃんである。普通に二つの手で
持てるくらい小さい。
「ほら、よみも抱いてみてよ」
 ともの腕から差し出されたクロを受け止める。思わず体も使ってぎゅっと抱きしめる。
そうしないと、この小さな体が、儚い命がこぼれ落ちてしまいそうで。
すごくかわいい。とてもあったかい。ずっと包んでいたい。
 ――今度は、私も泣くかもしれないな。
「かわいいでしょ」
 私は何も言わずに頷いた。
 泣いてしまったとしてもいい。きっと私はそれ以上に笑ってみせる。
 泣くときのことなんか考えなくていい。幻影を追わなくたっていい。
 今はただ、この素敵な命を抱きしめて微笑んでいよう。

(おわり)

605 :(・∀・)イイ! ◆EEE802ToMo :2004/06/18(金) 03:17 ID:???
書き始めがあと2分遅かったら踏んでるところだったw

606 :伯爵:2004/06/18(金) 11:41 ID:???
>>605
 そのカキコは、この話の後で、どうよw

>600-604
 非常にきれいにまとまっていますね。すぱっと積年の肩のこりの取れた文章です
 >クロはまだ赤ちゃんである
 の一文が秀逸。この一文に全てが込められているような気さえします

 >お墓と呼ぶのが怪しいシロモノ
 を作ったのはよみで、それは生命を葬るための儀式であり生への決別であり
 >ほら、よみも抱いてみてよ
 と生まれたての生命を、よみの手にゆだねる智の行為は、生の復活にも思え

 そんな物語の中で『クロはまだ赤ちゃんである』という客観は、テレでもあり第三者の観察であり、また素直な感想でもあるわけです
 それゆえ
>――今度は私も泣くかもしれないな
 と言う文章が生きてきているように思います

 なんかぐだぐだ書きましたけれど
 良作おつかれさま

607 :へーちょ名無しさん:2004/06/21(月) 18:35 ID:89eEt6UA
一週間もたたずによくこのクオリティで書けるもんですね…
継続して書き続けてほしいですが、無理なお願いでしょうか…
たまたま電波が降りてきただけ? にしても、やはり大したもので…
うーん…

単純にGJ!と言っておいたほうがよかったみたいです。すみません。

608 :( ̄〇 ̄).。oO(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/06/21(月) 21:53 ID:???
うぉぉぉぉ、想像して退場の秀作がっ!
ご苦労様でした。

609 :花菱充博(・▽・) ◆aYUMUDPc :2004/06/21(月) 21:56 ID:???
想像してた以上……

610 :( ̄〇 ̄).。oO(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/06/21(月) 21:58 ID:???
>>608-609
あ゛

訂正
想像してた以上ですね

611 :( ̄〇 ̄).。oO(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/06/21(月) 21:59 ID:???
あ、10倍数ゲットや…

同じ人だとつまんないから
↓よろ

612 :後藤 ◆FO6YAHU8i6 :2004/06/21(月) 22:45 ID:???
後藤君が主役のSSを希望。

613 :へーちょ名無しさん:2004/06/21(月) 22:46 ID:???
ゲフンゲフン


後藤君が主役のSSを希望。

614 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2004/06/22(火) 01:13 ID:???
すげぇなさかちーさん。
もっと話を見て見たい気もするが、それは流石に無理か。

615 :メジロマヤー ◆HFDLMAyar6 :2004/06/22(火) 01:18 ID:???
今回もパスするので、誰かよろしく。

616 :なも ◆RoRiKONI2M :2004/06/22(火) 01:32 ID:???
アィアムパス!

617 :へーちょ名無しさん:2004/06/22(火) 13:02 ID:eSc4ri9w
>>613
ゲフンゲフン

618 :( ̄〇 ̄).。oO(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/06/23(水) 21:41 ID:???
自分もパッス。
>>620よろんよろん

619 :へーちょ名無しさん:2004/07/08(木) 21:19 ID:???
さあ

620 :◆./rIHj.W0M :2004/08/03(火) 02:20 ID:???
一月放置されてるので、
発表スレッドにSSを投稿した余勢を駆って、
こっちにも書いてみます。

621 :◆./rIHj.W0M :2004/08/03(火) 02:23 ID:???
アメリカ


夏休み、家族でアメリカへ行くと決まった。
ある日の夕食の席上で、両親から突然の発表があったのだ。
何泊何日、何州を回り、どこに宿泊、予算何円、細かいことは何も告げられなかったけれども、
まだ四ヶ月も先のことだから仕方がない。

ずいぶん気の早い、と息子である後藤某は思ったが、
両親の浮かれぶりが微笑ましいようにも感じられた。
去年から、お前が高校に無事入学出来たらかならず何かしてあげよう、と父親が言っていたのは、
このアメリカ旅行のことだったと納得し、
もしかしたら、計画自体はずいぶん前からあったのかもしれないとも考えた。
それは息子たっての希望というものではなく、単に両親が行きたかっただけなのだった。

622 :◆./rIHj.W0M :2004/08/03(火) 02:25 ID:???
しかし、後藤も、海外旅行の話が出たときはまんざらでもない思いだった。
それどころか、両親と一緒になって、浮かれはじめてしまったのである。
そして、一家の話題は、しばらくの間、アメリカに関するものばかりになっていった。

六月を過ぎるころになって、後藤家には旅行会社のパンフレットや、
アメリカ情報の雑誌などが、何冊も集まった。
後藤は、リビングに入り、ニューヨーク市街の写真ばかりが掲載された本を手に取ると、、
そわそわし、落ち着かなくなり、
自分が夏休みを迎える前に事故で死んだらどうしよう、とさえ思うようになった。

期末試験が過ぎ、いよいよ夏休みは目の前であった。
アメリカ行きに備え、勉強に力を入れていた後藤の英語の成績は、他の教科より図抜けてよかった。
後藤が席に着いたまま、返却された答案用紙をながめ、
正解した英訳の文章を、いつアメリカで実際に使えるか、入念に思い描いていると、
机においた肘ぐらいの高さから、呼ぶ声がした。(2/6)

623 :◆./rIHj.W0M :2004/08/03(火) 02:25 ID:???
「後藤さん、英語、よかったんですか?」
「あ、ちよちゃん」声をかけてきたのは、美浜ちよだった。隣には、春日歩――大阪も立っていた。
「確か、後藤さんは、アメリカに行くんですよねー。すごいです」
「そんなことはないって」顔はにやけていた。
「アメリカに行って、何を見てくるんですか?」
「ああ、東海岸を中心に。ニューヨークにも行くし、ワシントンにも行くし。
やっぱりアメリカのフロンティアの出発点は押さえなきゃね。
あ、フロリダのディズニーランドにもいくんだよ」ついつい多弁になる。
「たのしそうですねー」ちよも、自分がアメリカに行くかのように、楽しそうに笑った。

「でもな、そんなんやったら、
後藤君、きっとともちゃんに、アメリカいう名前つけられてまうでー」
大阪から来たと言うだけで大阪と名付けられた少女が、笑いながら言った。
「そりゃないって」後藤も笑った。けれど、そのように呼ばれることがあるならば、
ほんの少し誇らしいような気がしてきた。

大阪は続けた。
「私な、大阪って呼ばれてるやんかー。でも、生まれは和歌山やし、小学校の頃は神戸やったしな、
せやから、なんやこう、大阪言われるの、恥ずかしいわー。
間違って大阪代表になってもうた気がしてなー」
「そうなんだ」後藤は相づちを打つ。まだ上機嫌である。
「そうや。ともちゃんに、安直に大阪言うあだ名つけられてもーたんやけど、
ホントのこというとな、大阪ってのはな、一言では言われへんねん」(3/6)

624 :◆./rIHj.W0M :2004/08/03(火) 02:26 ID:???
「どういうことですか?」ちよが聞き返す。
「あんなー、大阪ってのはな、私みたいにぼーっとしたところやなしに、
……ものすごいとこやねん」大阪は少し脅すように言った。。
「それは……よくないこと、ですか?」ちよが、大阪の顔色を伺いながら、小さな声で尋ねた。
「せや。吉本だけが大阪ちゃうねん。
大きい声では言われへんし、私ももとから居ったわけやないから、
詳しいことはよう言わへんのやけどな」
「うーん、大阪も、大変なんだな」後藤の発言は投げやりであった。

「せやから、大阪のそういうとこ、あんまりよう知らへん私が、
大阪言われてるの、最初の頃、ちょっとだけいややったんよ。あ、今は平気やで?」
「大阪さん……」ちよが申し訳なさそうにしながらつぶやく。

「じゃあ、後藤さんも、アメリカって名前つけられたら大変ですねー」
「へ? 俺の話になるの?」アメリカと呼ばれる自分を想像し、また少し鼻が高くなる思いがした。
「はい! アメリカのいろんなところ知っておかないと、名前にまけちゃいますよ。
……アメリカ、怖いところも、いっぱいあるんですよね。頑張ってたくさん見てきて下さいね!」
「せやなー。アメリカ言われるようになったら、
後藤君がうちらにとっての、アメリカの象徴になってまうからなー。
あ、そうなったら、自由の後藤像っちゅうの、出来るやろか?」
「……出来ないと思います……」(4/6)

625 :◆./rIHj.W0M :2004/08/03(火) 02:27 ID:???
夏休みに入り、後藤は両親とともに、アメリカ東海岸を巡る旅に出た。
メガロポリスを回り、多くの物品を買った。ショーを見た。人々の入り交じる雜沓を歩いた。
店員は、総じて親切だった。
「日本人は、金を落とすって思われてるからな」父親はそう言って笑っていた。
好天も、悪天も、ハイウェイを走る車から見る光景も、
列車から見える町並みも、すべてが、まるで写真のように記憶に焼き付いた。
ディズニーランドで絶叫し、焼けるような日差しのフロリダでバーベキューをする。
観光先は、どこも驚きに満ち、不満を覚える日は一日としてなかった。
後藤にとって、間違いなく、これまでの人生の中で最高の一月となった。
「最高のセレクトだったでしょ」母親が笑顔で後藤に言う。
ああ、最高の思い出になる、と後藤は返事をした。ありがとう、父さん、母さん。(5/6)

626 :◆./rIHj.W0M :2004/08/03(火) 02:28 ID:???
一月が夢のように過ぎ、九月になった。
夏休みを終えた生徒たちが、再び学校に通い始める季節である。
「後藤さん、アメリカ、どうでしたか?」
「ああ、ちよちゃん、すごく楽しかったよ!」
「あ、後藤君おひさしぶりや。楽しかったんかー。ええなー」
後藤はアメリカの日々を、身振り手振りを交えて楽しそうに回りに語って聞かせた。
クラスのみんなが、興味津々な様子であった。

「おー! 後藤! てめ――! ホントにアメリカに行きやがって――!」
滝野智が大声で、後藤をなじりはじめた。
「くっそー! くやし――――! お前なんかスリにでも遭ってひーひー言ってればよかったんだ!
お前のこと、アメリカって呼んでやろうかと思ったけど、絶対によばねーもんねー!!!」

後藤と、ちよと、大阪が顔を見合わせた。
「後藤さん……」
「ああ……忘れてたけど……」
「よかったなー。アメリカ代表は大変やねん」
「……そうだな」
それからの後藤は、アメリカの話をぱったりとしなくなった。(終わり)

627 :へーちょ名無しさん:2004/08/03(火) 03:03 ID:???
>>620-626
「アメリカに行ったらアメリカってあだ名を付けられてしまう」という部分が
いかにもあずまんが的ですね。
ちよちゃんや大阪、智の絡みかたも実に効果的でした。
後藤くんというキャラでこれだけの話を作るとはたいしたものです。

628 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2004/08/04(水) 02:21 ID:???
後藤のキャラが立ってて良かったです。
そして面白かった。

629 :◆./rIHj.W0M :2004/08/06(金) 15:10 ID:???
>>627
>>628
ありがとうございます。
それでは次の方リクエストどうぞ↓

630 :へーちょ名無しさん:2004/08/06(金) 16:04 ID:???
お題

「この先生きのこる」または「先生きのこ」を使って
文章を作りなさい。

631 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2004/08/06(金) 20:55 ID:???
>>629
また控え室で何か書いて欲しいです。

632 :( ̄〇 ̄∋眠)<.。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/08/07(土) 12:28 ID:???
>>620-626
おお、あずまんがで男子が主人公のもので、ここまで上手に書かれているものは少ないですなぁ。


次は……
気がついたらゲットるかも

633 :メジロマヤー ◆HFDLMAyar6 :2004/08/09(月) 01:28 ID:???
今回もやる気ないので、パス。
とりあえず、レスを進めると言う無責任なことだけしておこう。

634 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2004/08/09(月) 01:47 ID:???
創作板のキャラを使っていいなら考えるけど、どうかな?

635 :へーちょ名無しさん:2004/08/09(月) 09:35 ID:???
>>634
iinodeha

636 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2004/08/10(火) 02:09 ID:???
思いつけば書いてみるか。思いつけば。

637 :へーちょ名無しさん:2004/08/12(木) 08:32 ID:???


638 :へーちょ名無しさん:2004/08/12(木) 22:21 ID:???
また1ヶ月放置のヨカ━━━ン

639 :へーちょ名無しさん:2004/08/14(土) 08:38 ID:???
『凶器』

この先生きのこるのは誰だろう。それは恐らく生きることをあきらめない者たちだ。そんなことを、
先ほどから僕は考えている。
 僕は弱い。僕だけじゃない。僕らの仲間はみんな弱い。それでもこれまでこうして
生きてこれたのは、どんな状況にも決して生きることを投げ出さなかったからだ。
 でも、今僕はピンチだった。まさかこんなことになるなんて。奴らの手の届かない安全な場所を求めて
きたというのに、たどりついたのがよりによって奴らの巣窟だったなんて。
 気づかれないうちにと、出口を見つける前に、かん高い叫び声が起こる。奴らの仲間
の一人が僕を見つけたのだ。辺りが騒然となる。
 奴らの力は圧倒的なのに、たった僕一人を殺すために一斉に襲いかかってくる。ああ、もう
このままやられてしまうのか。
 いや、あきらめない。僕は最後まで生きる。最後まであがき続けて、そして


ぐしゃ





「先生〜〜」
「何?」
「さっきのゴキブリ、教科書で殺しちゃった――」
「ギャ――ッ!!」

640 :へーちょ名無しさん:2004/08/14(土) 08:39 ID:???

ふらいんぐですた。

641 :へーちょ名無しさん:2004/08/14(土) 13:27 ID:???
>>639
オチが実にイイ!
やっぱりこういうのはアイディア勝負ですね。

642 :へーちょ名無しさん:2004/08/14(土) 20:34 ID:???
素で『先生きのこ』るって読んだorz

643 :(〇 ̄∋眠)<.。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/08/15(日) 13:21 ID:???
>>639
乙ー
ああかわいそうなゴキちゃん

>>642さぁ(ぇ

644 :気づいたのなら誰か何か言ってヨorz:2004/08/16(月) 09:11 ID:???
 この先生きのこるのは誰だろう。それは恐らく生きることをあきらめない者たちだ。そんなことを、
先 ほどから僕は考えている。
 僕は弱い。僕だけじゃない。僕らの仲間はみんな弱い。それでもこれまでこうして
生 きてこれたのは、どんな状況にも決して生きることを投げ出さなかったからだ。
  でも、今僕はピンチだった。まさかこんなことになるなんて。奴らの手の届かない安全な場所を求めて
き たというのに、たどりついたのがよりによって奴らの巣窟だったなんて。
  気づかれないうちにと、出口を見つける前に、かん高い叫び声が起こる。奴らの仲間
の 一人が僕を見つけたのだ。辺りが騒然となる。
  奴らの力は圧倒的なのに、たった僕一人を殺すために一斉に襲いかかってくる。ああ、もう
こ のままやられてしまうのか。

645 :へーちょ名無しさん:2004/08/17(火) 07:31 ID:Een0hMn6
せんせいきのこる?せんせいきのこ?

646 :へーちょ名無しさん:2004/08/17(火) 08:14 ID:???
>>645
創作板など参照のこと

647 :ケンドロス ◆KPax0bwpYU :2004/08/18(水) 00:29 ID:???
>>644
全然気づかんかった。

>>645
ぶっちゃけて言えばあず青先生の新しい名前

648 :へーちょ名無しさん:2004/08/19(木) 17:29 ID:???
>>645
「このさき、いきのこる」です。

649 :へーちょ名無しさん:2004/08/19(木) 21:05 ID:???
↓お題を

650 :(〇 ̄∋眠)<.。○(眠い名有り) ◆CRIUZyjmw6 :2004/08/19(木) 21:32 ID:???
げっちゅぅ

お題

テストでボンクラーズvsちよ、よみ、榊

651 :へーちょ名無しさん:2004/08/21(土) 15:45 ID:???
うわ、勝負にならねーw

652 :へーちょ名無しさん:2004/08/24(火) 17:01 ID:???
このままだとまた放置の予感!!

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