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851 :ちよちゃんの甘酸っぱいなにか(1/2):2006/11/23(木) 15:17 ID:???
 ちゅーちゅー
 ツインテールの少女は時折顔をしかめながら、可愛らしい音を立ててストローに
口をつけている。
「ちよちゃん。何飲んでんの〜? 」
 中を覗きこむものの、頭にクエスチョンマークを浮かべて尋ねる。
「お酢? 」
「意外と甘いし、とっても健康にいいんですよお」
 大阪の手元に差し出された紙パックの表紙には、『りんご&ぶどう酢』と
書いてあった。

「おっ、ちよちゃんも飲んでるのか? 」
「神楽さん? 」
 机を通りがかった、髪をショートにしている、とても活動的な瞳をした級友は、
ちよと同じ種類のジュースを、美味しそうに飲んでいる。
「大阪さんもいかがですか? 」
「私、すっぱいの苦手やねん」
 しかし、大阪は眉をひそめて軽く手を振った。

852 :ちよちゃんの甘酸っぱいなにか(2/2):2006/11/23(木) 15:18 ID:???
「お酢は身体の柔軟性にいいんだぞ」
 先程まで神楽と談笑していた、茶色い長髪をなびかせている暦も話に加わってくる。
「よみちゃんも飲んでるのん? 」
「とても柔らかいだろ? 」
「そやな…… 」
 暫く逡巡していたが、たこちゅーのような柔らかさに憧れを持っている
関西からきた少女は、ぎゅっと掌を握り締めて宣言する。
「ほんなら、チャレンジするねん」
「が、がんばってください。大阪さん」
 自販機から取り出した、『りんご&ぶどう酢』を一瞥すると、彼女は空けた穴に
突き入れた、半透明色のストローをじっと見つめて息を吸い込んだ。

 そして、そのきっかり3秒後
「けほっ! けほっ! 」

 思いっきりむせぶ少女だったが、あまりにも予想と同じ結果であり、暦と神楽は
深々とため息をつくしかなかった。
「だ、大丈夫ですか? 大阪さん」
「ほんまひどいで、みんな」
 ほっぺたを膨らましてむくれた直後 ――
「ひっく」という音が、大きく動いた喉から漏れだした。

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