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20の倍数がSSを書くスレ

341 :◆5KxPTaKino :2003/09/19(金) 01:53 ID:???
 目が覚めた。
 暗い部屋にいた。
 頭が痛む。
 自分は今まで何をしていたのか。
 自分はどこにいるのか、なぜここにいるのか。
 思い出そうとすると、頭が締めつけられた。血管が脳を圧迫している。どく
どくと血管が脈打つたびに、全身が疼いた。
 たまらず、横になる。ふわりとした感触。布団だ。俺は布団の上にいる。
 確か、仲間と酒を飲んで……店の手前で別れて……それから――
「気がついたのかい?」
 男の声がした。
 声のしたほうを見やると、暗がりの中にうっすらと人影が浮かんでいた。
「あなたは……」
 きしむ頭を一方の手で抑えつつ、もう一方の手を支えにして起き上がる。
「僕は、三潴という者だ。君は伊井直人君だね」
 声が、名乗った。
 聞き覚えのない声だ。だが、三潴と名乗ったその男は俺の名を知っているよ
うだった。俺は訝しく思ったが、何のことはない、彼が俺の財布から身分証明
書を抜き取っていたのだ。
 
 ああ……。
 思い出した。
 仲間と店の前で別れた後、へべれけに酔っていた俺は路上に倒れこみ、この
男に拾われたのだ。そして、ここに連れてこられた。
 ……それで、ここはどこなのだ?
 俺が尋ねよるより先に、向こうが口を開いた。
「夜は、短いよ」                        (1/4)

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