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ものすごい勢いで雑談スレ60人目のウルトラマン

29 :安梨沙:2003/05/17 13:27 ID:???
問題

――その夜。
私は夜中に部屋を抜け出した。
蚊が何匹も飛んでいて鬱陶しかった。
夜の犯罪心理学のテレビ番組がつまらなかった。
もう、人に会うのが嫌だった。寝苦しかった。
もう真夏なのにもこもこした毛布が出ていた。
たったこれだけの些細な事を逃れるために、
私は部屋を後にした。

私には何処にも行く当てがなかった。
なので、とりあえず近場の公園に行くことにした。
家出をしたというのに近場の公園に行くとは今思うと何となさけないのだろう。
だそのときには遠くの場所に行く気力もなかったうえ、
家出と言っても遊びのようなものだったので、そこは格好の場所だった。

それなりな公園には視界の障害になる物はなかった。公園と言っても
たんにだだっ広い広場のようなものだ。そこにいたのは、
いかにも破局しそうな男女、浮浪者、息を荒くしてジョギングしている者、
私、含めて5人。2箇所あるベンチは男女と浮浪者で占領されていた。
占領と言っても男女のいた方は1人分ぐらい空いていたのだが、
まさかそんなところには座れない。
仕方なく私はブランコに乗りゆっくりと漕いだ。

私はぼんやりとしていた。
女性のような悲鳴が上がる。
はっと我に帰る。私の腹からナイフが生え、
生え際からは真紅のそれに装飾されていた。意識が遠のいた。

これを書いているということは死ななかったと言うことになる。
当たり前のことだ。

誰がナイフを刺したか?
警察は通り魔と言うように説明をしてくれた。
だが、実際はそうではないのだ。幾らぼんやりとしていたと言っても
寝ていたわけではない。刺した人間の顔は公園にいた者の顔だった。

なお、男女は常に話していたと言うし、恋人のような物だから
それは当てにならないというのなら、
二人が常にいたことは浮浪者が見ていたらしい。
逆に浮浪者は男女の横のベンチにいて、
いなくなった瞬間は一度もなかったらしい。
ジョギングをしていた物はブランコに近づいていなかったらしいと
男女と浮浪者が証言した。

これらを踏まえて、「私にナイフを刺したのは誰か」と「その理由」
を当てていただきたい。

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