■掲示板に戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 701- 801- 901- 最新50    
レス数が1000を超えています。残念ながら全部は表示しません。

物凄い勢いで雑談するスレ 543 コヨミ

683 :うちゅー ◆UCHU/Xh/xE :2004/10/15(金) 01:04 ID:9D3R8lI.
 話が弾んでくると、やがてイイに余裕が生まれた。こうなるとまたよからぬことを企んでくる。
 ICPOが「失礼」と席を立ち、トイレに出た隙に、イイはにやりと笑うや「ふふふ」と不気味な笑い声をあげつつ席を離れ、ウエイターが運んできたばかりのICPOのワイングラスに、小さな薬を放り込んだ。
「うふふふふ」
 薬が溶けてゆくさまを、得意に見つめる。
「また妙なものを持ち歩いて……イイさま、炭酸爆発をやらかすおつもりですか?」
「もちろーんですわ♪」
 特殊な炭酸で、激しく揺らすと一気に泡立つ仕組みだ。
 やがてICPOが戻ってきた。新しく増えたワイングラスを見ると、嬉しそうに手に取った。
「これはいい白ワインですね」
 グラスをゆっくりと回しつつ目をつむり、香りを嗅ぐ。薬の影響で、小さな泡がぽんと弾けた。その様子をはらはらしながらイイは見守っている。
「殿下にも新しいふたなり薬が届いたようですね、また乾杯といきましょう」
 ICPOがグラスを向けてきた。
 イイは「へ?」という表情を一瞬だけ見せたが、さすがに断るわけにもいかず、やや青ざめたつくり笑いの表情で、おそるおそる自分のグラスを掲げた。
「乾杯」
「か、かんぱーい?」
 チン。
 まほーん。
 お姫さまはワインまみれになっていた。
 ワイングラスは絶妙にイイのほうに傾けられていたのだ。
 驚き慌てるICPOやレストランの従業員。イイはくしゃみをした。
 なもだけは何事もなかったかのように食事をつづけていた。

129KB
READ.CGI - 0ch+ BBS 0.7.4 20131106
ぜろちゃんねるプラス