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物凄い勢いで雑談するスレ 471

128 :φ(・ワ・)φうちゅー ◆UCHU/Xh/xE :2004/06/30(水) 02:25 ID:h40ErL5c
32 2004/6/30 にょ (創作)

「ねえねえ榊、今度遊びに行ってもいいかな?」
 私はふるふると首を横に振って、拒絶の意志を示した。
「どうして、いいだろ友達じゃん」
「その――汚れてるから」
「そうか……残念だなあ。せっかく3年生も一緒のクラスになれたのに」
 神楽さんは本当に残念そうに言っていたが、それ以上突っ込もうとはしなかった。助かる。彼女は強引なところがあるが、根は優しくて意外と人のことを見てるので、引くべきときはちゃんと下がってくれるので助かる。これが智さんなら一向に構わなかっただろう。よかった。

 私は高校にあがってからできた友達を、一回も家につれてきたことがない。友達の家に上がったことはあるが、逆はない。というのも、私には知られたくない秘密があるからだ――
 猫が好き。
 もう、溜まらないほどに。
 部屋は猫で埋め尽くされている。
 ぬいぐるみ、本、雑誌、アクセサリー、下着、服……
 あらゆるものが猫であり、猫なのだ。私は猫とともにある。すばらしい時間、聖域。心のよりどころで、すべてで、それが私、榊の心を形作るのだ。
 だから、部屋には誰も入れたくない。
 親ですら。

「じゃあな」
「うん……」
 神楽さんと別れた。
 よし、目的のものを買いに行こう。
 私はメガネをかけて変装すると、近くのビデオ屋に行った。
 目的地は、アニメ売り場。
 そうなのだ。私は無類の猫好きであるがゆえに、アニメであってもコレクトをおろそかにはしない。私の目的は――これですにょ!

 家に帰って、部屋にまっしぐらですにょ。
 DVDの封を切って、レコーダーに入れ、音はヘッドホンで聞きますにょ。
「にょにょにょにょにょ、ブロッコリーにょ」
 にょにょー! デ・ジ・キャラットー!!!

 ♪うぇるかむつー、うぇるかむつー、うぇるかむつーまいはーと〜……

 ばたんっ!
「おーっす榊、途中で榊の母さんに会ってね、気が合って誘われたんで、やはり電撃で遊びに来てやった……」
「にょおおおおおおお!!!」
「榊……おまえ、その格好、猫なメイドさん……コスプレ……似合わねえ……アニメおたく……」
 ばこっ

 ――……
「あれ? 榊、なにかなかったっけ?」
「いや、なんでもない」
「ここがおまえの……部屋か? かわいいな」
「ありがとう」
「えーと、なんか頭がくらくらするけど?」
「気のせいだ」
「そう?」
「気のせいだ」
「そうか」
「気のせいだ」
「うんうん……そうか……?」

 ちりん

「なんだこの鈴?」
 しまった……片づけ忘れてたか。
「気にするな」
「いや、なんかずいぶんとでかくないか?」
「気にするな」

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