物凄い勢いで雑談するスレ　428回目

539 ：八八艦隊司令大阪さん：2004/05/13(木) 23:46 ID:???

「誰のなんだろう…」

教室の隅に落ちていたのは、小さな花の髪飾り。
少しだけ汚れているけど、まだ落とされたばかりのようだった。
キラキラと光を放つそれを、食い入るように見つめる拾い主…

　　……ちょっとだけ
　　　　　　　　　少しだけならいいよね…

ぎゅっとやさしく握りこみ、向かった先は近くのトイレ。
ホコリのついた髪飾りを、水道で丁寧に洗うと辺りに誰もいないことを確認する…
別に悪いことをしてるわけじゃない…　それでも何だか後ろめたい……　それに少し恥ずかしい…
色んな気持ちでドキドキしながら、腰まで伸びた綺麗な髪の前髪に、思い切ってつけてみる。
やっぱり似合わないかな…　そんなことを思いながら、鏡を見ようとした時、不意に声をかけられる。

「榊さん、なにしてるんですかー？」
「…あ、ちよちゃん」

突然のできごとに、心臓の動きが激しくなる。

「あー！その髪飾りどうしたんですか？」
「……その…拾ったんだ…　せっかくだから…つけてみようと思って……」

人に見られて恥ずかしい…　私がこんなのをつけたって…

「………榊さん、よく似合ってますよ」
「…え？」
「すごく可愛いですよー　きっと神様が榊さんにプレゼントしてくれたんですよー」
「そ…そうかな……？」
「はい！だからそれは榊さんがもってるのがいいと思います」
「………ありがとう…ちよちゃん……」
「さぁ！みんなにみせに行きましょう！」
「え？　あ！ちょ、まって…」

小さい腕で、大きい体を元気よく教室まで引っ張っていく女の子のポケットの中には、拾われたのと同じ髪飾り…


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そう、この髪飾りの落とし主は…