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物凄い勢いで(メタルオーバー)雑談スレ 408 ゲインオーバー

279 :伯爵 ◆LordI :2004/04/23(金) 02:41 ID:???
「つかれているんだよ」
 ナモ・ルォリスキーは、私のかたわらに、紅茶の入ったカップを置いた。まだ湯気を立てている。
「しかたがないさ。人類が人の姿をしたもう一つの人の形を思い描いてもう何千年にもなる。我々の研究は、その時間の流れからすればまだ短い」
「でも、よつばは」
「あれは、ちよの複製にすぎないよ」
 そんなことを言いながらも、彼は満足しているのがわかる。彼は第六理論をよつばによって証明した。通称『ロ理論』
「そんな目をして、見ないでくれよ」
 苦笑してルォリスキーは、私の頭をくしゃくしゃと撫ぜた。
「うちゅーだって、やれるさ」
「しかし……」
 私は、いまだ迷っている。それは、彼のことを思い出してだ。
「彼の言っていたことは、正しかったのかもしれない……」
「うちゅーっ!! 」
 疑問の声は、激しい動揺まじりの声に打ち消される。だん、とテーブルに打ち付けられた拳。その振動で紅茶が倒れた。
 かたん、さあーっ。
「奴のことは、忘れろ。奴は、違う、俺たちとは違うんだ」
「でも、あれは、確かに、一つの、萌えで……」
 のろのろと答える私の声が、遠くから聞える。あの男、伯爵の声に混じって。

――隠された理論は、実は七で終りでは
「……ないのです」
「うちゅー……」
 融けるような私の声。戸惑う、ナモ。私は言葉をとどめない。
「その新しいりろんのかたちそれは……」

 ……八番目の理論! すなわち、801の理論です!! ――

 かれはいまどうしているだろうか……。
 ぱたん。
 力が抜けて、私はテーブルに倒れ伏す。
 生温い紅茶が、頬と髪を浸した。 

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