■掲示板に戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 701- 801- 901- 最新50    
レス数が1000を超えています。残念ながら全部は表示しません。

物凄い勢いで雑談するスレ プジョー406

598 :伯爵 ◆Lordreb1l2 :2004/04/21(水) 14:47 ID:???
「おおさかさん」
「あー? 」
 春日歩は間抜けな声で、答えた。ひんやりとしたリビングの床に、タオルケットだけはおって。大の字に寝転がって。
「なんやー? ちよちゃん……」
「お風呂上り、ぽかぽかですね」
「ぽかぽかやー」
 とろんとした目、それはそうだろう、かなり長い間浸かっていたから。一さじ薔薇の香水を垂らした、柔らかくぬくもる白いバスタブの中で。
 じゃーん。ちよがぱっと差し出したのは、青いアイスキャンディー。ひんやり白い湯気。
「齧りたいですかー? 」
「がりがりくんやー」
 ゆっくり歩が起き上がると、胸元を覆っていたタオルケットが、するりとずれた。ん、と伸ばされる喉元、微かに上がる顎。
 かり。
 白い歯が角に齧りついた。
 こり。
 奥歯が噛んで、舌が絡めて。その頬が膨らんだり縮んだり。青いジュースを飲みこむため。
 ちゅ、くちゅ。
 かり。ちよの歯も、角を齧る。
 ぽたり。
 大阪の頬に垂れた雫、ひやり。
「あ、拭かな……」
「そうですね」
 くすくす、少女達の笑み。タオルケットの代わりの、赤い舌ぺろり。
 また一口噛む。氷の粒ざくり。
 汁が滴る。喉下を伝うたらり。
 舌で拭う。ひんやしとした舌。
「がりがりくん、おいしいな」
「おいしいですねー」
 指と指が、唇と唇を撫ぜて。ああ春の昼下がり青葉がさらさらさささささらら、と。
「あ、ちよちゃん? 」
「どうしたんですか? 大阪さん? 」
 へへへ。

 あなたの愛。もう一本当った。

153KB
READ.CGI - 0ch+ BBS 0.7.4 20131106
ぜろちゃんねるプラス