3拍子揃った雑談スレッド 348

252 ：Mizuma ◆ICPOMk2.Mg ：2004/03/05(金) 22:11 ID:???

「まったくこれだからガキは嫌いだぜ、分別もなくギャーギャー騒ぎやがって」
　電車の中で友人がくだを巻いている。彼は先ほど車内ではしゃぎ回っていた子供を
「静かにしろ！」怒鳴りつけたばかりだ。
「親もなんで注意しねえかなぁ、大体最近の親は子供のしつけに無関心過ぎるんじゃないか？」
　それは実際に子供を持たない僕らに言えることじゃないだろうと思ったが、
僕は「ああ、そうだね」と言ってニコニコしていることにした。

　しばらくして幾分か落ち着いた彼と、今度の連休に仲の良いクラスメイトを集めて旅行に
行こうという話を始めた。話が弾んでくると彼は「夜は風俗に行こうぜ」なんて言い出した。
冗談かどうか分からず、どう反応すればいいか分からなかったが、
僕は「ああ、そうだね」と言ってニコニコしていることにした。

　だんだん電車が混んできた。ふと前を見ると、白髪のお婆さんが辛そうにして立っていた。
「ばーちゃん、ここ座れよ。あ、気にすんなって！俺たち次の駅で降りるんだから」
　僕が立とうかどうか迷っているうちに、彼はすっとお婆さんの肩に手をやると、
「いいからいいから」と少し強引に、自分のが座っていた席に腰掛けさせた。
「ばーちゃんはどこまで行くの？へぇ、そっちの方にはまだ行ったことないなぁ。どんな所？」
　そうこう言っているうちに下車駅が近づいてくる。
「あ、もう着いちまった。そんじゃなばーちゃん！グレィトに長生きしろよ！」

　彼はそう言って手を振りながら電車を降りる。
「あー、楽しみだな旅行！」
僕はニコニコしながら「ああ、そうだね」と言った。