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物凄い雑談が繰り広げられるスレ 229時間目。
395 :
さかちー
:2003/12/10(水) 02:47 ID:???
ちよ国王はベッドの中で泣きながら、倒れている間に見た夢を反芻してました。
自分のよく知る人物――大阪王子が「カンサイ」を名乗って、あの無垢な
人柄からは考えられない行為をしていた……
知らない間に変わってゆく。みんな、自分を取り残して変わってゆく。
それが孤独。自分ひとりでは決して癒せない病。
さっき見ていた幻想。あれはやがて真実となってしまうのだろうか?
そんなことはないと信じたい。信じたいけれど……
大阪王子の笑顔が思い出せない。あの笑顔がかすんでゆく……
それが孤独。自分で作り出してしまった病。
これを癒してくれるのは。
「ちよちゃん!」
ドアをけたたましく開ける音とともに聞こえてきたのは大阪王子の声。
心のどこかでその声を求めていたような気がして。でも聞こえてはならない声のはずで。
「王子、今は踊ってるはずじゃなかったんですか?それにその呼び方はやめてください」
嬉しかったはずなのにちよ国王は怒ったような口調で言ってしまいました。
「恵那ちゃんがちよちゃんが倒れたって言ってたんや。だからすぐに駆けつけてきて……」
「でも……あなたは今舞踏会の主役なんです。ここに来てはいけません!」
「そんなんよりちよちゃんの方が大事や。なんでこんなになるまで無理しとったんや!?」
そう言ったあと、大阪王子はすぐに思い当たって、
「そうか……私のせいなんやな。私が手を焼かせてばっかりやから」
大阪王子は急に声を弱くしてしまいました。
それから大阪王子は強い決意を秘めた声で。
「これから私がしっかりするから……だからもう無理しなくてええよ。いままでちよちゃんを
独りにしてもうたけど……これからは私が一緒におるから」
優しくちよ国王を抱きしめました。
「大阪さん……」
ちよはまた涙を流しました。しかし、それはさっきまでの孤独によるものではありません。
自分を理解してくれる者がいる嬉しさから、自分のそばにいてくれることの温かさからくるものでした。
今は国王と王子ではなく。
今ここにいるのは一人のちよと一人の大阪でした。
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