物凄い勢いの雑談スレッド　156ぁぅぁぅぁー

213 ：うちゅー ◆ZzAZUxozdw ：2003/10/11(土) 21:02 ID:???

枝サーガ

キャベツを貰ったオタクは道でひとり、立ちつくしていた。
彼は生まれてはじめて、リアルな女性からまともに相手にされたのだ。
その感動たるや、感涙激動大地震雷火事親父というべきもので、
言葉で表現できるものではなかった――そして同時に、
体でも、である。だから彼は立ちつくした。
そうすることしか出来なかったのだ。
「う……」
しばらくして、彼の口から一声が漏れた。
「うほ、いい男！」
あまりのショックに、彼の脳内ではキャベツを手渡したのは、
いつのまにか男になっていた。彼はノーマルだったのだが、
なぜいきなりモーホーなことを口走ったのか？
それは誰にもわからない。ただ彼の行動はその後も
常軌を逸していた。キャベツにかぶりつくや、まるでコントで
スイカを食べるかのようにがつがつと苦いそれを喰らい出したのである。
いかに他人に興味を持たない東京とはいえ、これは目立った。
周囲にいた善良な小市民たちはただでさえオタク臭を発して
異質な彼が、さらに特殊になってしまったその様子に、
多少なりの敬遠を覚えずにはいられなかった。
誰もが２ｍ円内に近づかず避けてゆく。彼は完全に孤立する生けるオブジェだった。