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物凄い勢いで雑談とかなんかしてたりなんかするスレ パート154
177 :
安梨沙
◆HISUIGLeas
:2003/10/08(水) 23:43 ID:???
>>129
――――――――
頑強な戸の前に立ち、取っ手に手をかける。開く筈が無い。主は眠っている
時間である。当たり前だ。だが、ちょっとしたピッキングのコツさえ知っていれ
ば空く。それについては素人ながらに数日、いや数週間前からこの日のため
に練習をした。それまでは10分程度で外れたのだが、今日は指先が悴んでい
た。それでも20分程度で鍵を外してした確かな手応えが手に伝わった。つまり
、鍵が開いたと云う事になる。再び取っ手に手をかけると先ほどの抵抗など全
く無かったかのようにするりと戸が開いた。玄関には靴が丁寧に一足ちょこん
と並んでいた。恐らく明日のために用意されたものだろう。他人事ながら微笑ま
しいと思ってしまった。だが、揃っているそれを蹴り飛ばし、土足で室内に進入
する。手には何も収められていない。爪と爪が衝突し、乾いた音を立てる。音は
波のように立っては消え立っては消えを繰り返した。あまりにも暗いため壁にぶ
つかってしまう。壁を伝って音が漏れていないか心配になった。辺りを見回す静
寂ほら音なんて伝わってないじゃない大丈夫大丈夫落ち着きなさいこのままゆ
っくりやれば良いのよ動揺? そんなのしてないしてない今回が始めてだからっ
てそんなどどううよよううなんてしてたら話にならないよ落ち着きなさい落ち着き
なさい深呼吸しなさい。息を大きく吸い込む。吐き出す。心拍が弱くなってきた。
よく見ると壁ではなく大型テレビであった。テレビが在ると言う事はつまり、ここは
リビングのようだ。さらによく観察するとちゃぶ台の大きくしたような物の上に柿と
果物ナイフが乗っていた。腹ごしらえにと柿を食べ、ナイフを手に持った。
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