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物凄い勢いで雑談スレ28話

533 :卯者 ◆d25mCpewhM :2003/04/05 03:28 ID:kaZZTVQY
二人で借りた小さな空間。
二人だけの世界。
だけどその空間にはもう誰もいなかった。

つい昨日まであったTV、冷蔵庫、ソファー、そして二人の写真。
何も残っていなかった。
もしかしたら場所を間違えたのかもしれないとも考えた。
だけど馬鹿な私でもそれはすぐに理解してしまう。

         私は捨てられた。

考えたくも無い現実が重く私に圧し掛かる。
『歩はん、あんたも可愛そうな人やな?保証人になんかなるからこんな事になるんやで?』
突然聞こえてきた低い声に、私は後ろを振り向く。
そこには一ヶ月前にお金を二人で借りに行った場所に居た、おじさんが居た。
『まぁ、捨てられたもんは仕方ないな、まぁ、金は返してもらうけどな。』
二人でこれから頑張ろう。
その言葉を疑うこともしなかった私はこの時始めてことの重大さに気づいた。
『・・・300万。』
彼と共に大学を中退し、親からもかんどうされた私が300万なんて大金を
返せるわけが無かった。
『ん?歩はん、お金は用意できてますか?確か今日までやったような・・・?』
『ごめんなさい・・・お・・・お金ないねん・・・』
私は小さな声でポツリと呟く。
『はぁ?何でや?冗談はいいから、はようださんかい!!』
『ひ・・・な、無いんです、本当に、あの人がお金持ってたし、それに・・・』
『もうええわ!!体で稼げ!!来いや!!』
腕を力強く握られる。
       痛い・・・
無理矢理車に乗せられた私はどこかに連れ去られていた。
車の中、私は恐怖で声が出せなかった。
頭の中が真っ白だった。
気づけば涙がポロポロこぼれてきた。
その涙で前が見えなくなっていた。

何でや・・・?何でなんや・・・

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